グローバルな求人情報検索エンジン「Indeed」の中の人にリクルートに就職することについて聞いてきた(後編)

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Indeedというサービスを知っている読者はまだ多くないかも知れない。2012年にリクルートグループに加わった米Indeedが展開する求人情報検索エンジンで、世界中の会社情報を収集し、求職中のユーザーがあたかも「就職情報版のGoogle」のように欲しい求人情報を検索できる。

今回、このIndeedで品質管理の責任者を務める細川貴英(ほそかわ・たかひで)さんに話を聞いた。細川さんはリクルート4年目、ウェブ採用の1期生で、大学在学中に技術書を出版したり、現在週末ラッパーとしても活動するユニークなエンジニアだ。聞き手まつもとあつし。今回は後編(前編はこちら)。

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日本にいながら世界を相手に

――米国の開発拠点はオースティンにあり、グローバルなサービスを展開するIndeedが日本に拠点を置く理由は?

細川:Indeedは2004年設立の若い会社ですが、これまでエンジニアの開発拠点があるオースティンにある(本社はコネティカット)テキサス大学の学生から採用することが多かったんです。でも事業の規模が拡大し、優秀な人材の確保が追いつかなくなってきた。

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それまでもアメリカで人材発掘も兼ねたプログラミングコンテストを行っていたのですが、2013年末に東京でもプログラミングコンテストを開催したんです。そうしたところ非常に成績がよく、米国の担当者も驚くほどでした。ここ東京に拠点を置くのは、リクルートがIndeedが持っている最新の開発手法に学ぶためのほか、人材確保のための新たな拠点という意味合いがあります。ローカライズや日本向けの機能の開発をしているということもなくて、あくまでもオースティンと同じくいち開発拠点としてグローバルなサービスを日々開発しています。

――グローバルな事業を展開し、その開発を行うとなると英語が必須ですね。

細川:もちろん英語は重要です。ただスキルという意味では、英語力よりも論理的思考力、例えばいかに合理的なアルゴリズムを思いつくかといった面を重視しますね。採用面接において、質問は全部英語ですが、あくまでも実践的なコーディング能力を見たいので、現状、通訳を用意しています。

英語力の底上げが必要な人については、HRナビ編集長の夏目くんでおなじみのセブ島で、英語の集中トレーニングコースを用意しています。その後オースティンにて実際OJTのような形で働いてもらうので、必要な英語力は自然と身に付いてくると思います。

Googleハングアウトでの会話を通じた会議もあるのですが、普段は細分化したタスクをWeb上で共有し、それをエンジニア各人が受け取って作業をするスタイルを取っていますので、英語の読み書きは特に重要です。何か不明点や、議論が必要な場合も、そのシステム上で英語のテキストで記録を残していきます。そこで、誤解が生じないように正確な英語を書くスキルが求められますね。本社と日本では時差もありますので、そこでちゃんと申し送りができないと、翌朝出社したときに頭を抱えることになりますから(笑)。

僕自身の留学経験はシンガポールへの3カ月のみで、英語はほぼすべて独学なんですけど、Indeedに来るまでそれなりに自信がありました。でも、やはり実際に開発の現場でネイティブの人間とやり取りするとなると最初は苦労しましたね。

1対1でやり取りしているときはいいんですが、アメリカ人同士があちらのスピードで砕けた英語も交えてやり取りしはじめると、とたんに聞き取れないし、聞き取れたとしても輪に入れない。でもだんだんと「あ、またこの言い回ししているな」といった感じで慣れてくるんですよ。そういう意味で日本に居ながらにして生きた英語力が身につきますから、やりがいはありますね。

生まれ変わってもリクルートで働きたい

――なぜリクルートを選んだんですか?

細川:一言でいえば「でかくて速い」からです。リクルートでありがちな話ですが、他人の人生の転機に良い影響を与えるような仕事をしたくて。

当時、出版した本がお陰さまで結構売れまして、その直後の就職活動だったので、なんというか自分の裁量で決めてそれを目指して頑張って、その結果そこそこの影響力を与える、ということの逆がしたかった。

つまり、でかいものに埋もれたかったんです。でかいものに埋もれる代わりに、その力を使ってものすごい影響を社会に与えたかったんですね。でも、でかさに伴う遅さがあったらこれからの時代絶対にダメだという考えもあって。規模が大きいのに、でも速い、という組織を探していたら、リクルートがピタッとはまったんです。組織は大きいんだけど、意思決定が速くて、時代に適応する機動力があるな、と。それでリクルートに決めました。

――大きくて、動きが速くて、強いと言えるかも知れませんね。リクルートで学んだ、あるいは今学んでいることって何でしょう?

細川:(リクルートOBでHRナビのインタビューにも登場した)けんすうさんの場合と違って、僕は今も現在進行形なのと、子会社に出向したりして3年間いわゆるリクルートっぽいところで働いてこなかったので、ちょっと難しい質問ですね。でも、Indeedに関する意思決定も本当に速かったですし、その際も上司や上層部にヘンに気を遣うということがなかったと思います。おそらくこの規模の出資を行う際、他の大企業に比べると格段に動きが速かったはずですし、融通が利く部分も多いはず。

大企業なのに、大企業らしくない。大企業の良さを持ちつつ、大企業にしては意思決定が速い。それがリクルートだと思いますね。

あとは、リクルートのエンジニアって、同年代の人たちと比べてもコミュニケーション力が高いと思います。コードを書くだけじゃなくて、営業に同行して取引先にプレゼンテーションを行うとか、場合によってはお詫びして、社内の調整を率先して行うという場面が多いですね。コードも書きながら、そういったコミュニケーションを取るので、大変ですが、それによって対人スキルと技術力を伸ばせました。

――幅広いスキルを身につけることができている、という訳ですね。ここまでを振り返ってみてリクルートに就職してよかったですか?

細川:100%良かったと思ってますね。生まれ変わってもう1回就職活動することがあっても、リクルートのエンジニアを選ぶと思います。