意外と知らない、源泉徴収票の正しい読み方

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毎年年末(年度途中に辞めたときはその月)に勤めていた会社から渡される給与所得の源泉徴収票。実は読み方がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は源泉徴収票の正しい読み方を簡単に解説します

まず勘違いしやすいのが、所得税法上の“収入”と“所得(しょとく)”の意味の違い。これを混同している方も多いのではないでしょうか。「今月の収入が手取り◯◯万円でさ、生活苦しいよ」という使い方は間違いです。“収入”とは給与明細に総支給額(通勤交通費は除く)と書かれた金額のことを指し、所得とは収入からサラリーマンの必要経費を引かれた後の金額を指します。さて、これを踏まえて、源泉徴収票を手元に用意して、そこに記載されている意味を読み解いていきましょう。税金を払いすぎているかもしれませんよ。

まず見たいのが支払金額欄です。

1.支払金額
この欄に書かれている金額が、俗に言う年収。ここに書いてある金額は、給与や賞与から税金や社会保険料を控除(給与・賞与から天引きされること)される前の金額です。年収が高い=返済能力が高いということですから、住宅ローンや車のローンなど、借り入れを組む際に一番重要視される項目です。なお、ここの欄には、所得税がかからない金額(例:通勤交通費など)は入りません。

2.給与所得控除後の金額
この欄は、1で説明した“支払金額”から“必要経費”を控除した金額が記載されます。サラリーマンに“必要経費”って何? と思われるかもしれません。自営業者と違ってサラリーマンは業務に何をどれだけ使っているかわからないので、下記の計算式で、“必要経費”を決定してしまいます。

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つまり年収500万円の人なら、収入金額×20%+540,000円が“必要経費(所得控除の額)”になりますから、5,000,000円×20%+540,000円の1,540,000円が“必要経費”となり、5,000,000円-1,540,000円の3,460,000円と記載されているはずです。

気をつけたいのが、この欄が空欄になっている場合です。所得税の最終確定である年末調整がされていないということになりますので、税金を支払いすぎてしまっていることが多いです。年途中で退職した場合などは、この欄が空欄になっていますから、しかるべき時期に確定申告をして、払いすぎた所得税を取り戻しましょう。

確定申告というと、「余計に税金を取られるんじゃないの?」と誤解する人も多いですが、ほとんどの人は税金を払いすぎているので、その分が戻ってきます。税金を払いすぎている場合は税務署に「自分で申告」しないと還付されませんが、税金を払い足りない場合は、税務署の調査で追徴と延滞税を取られることになります。気をつけましょう。

3.所得控除の額の合計
「1」「2」で年収-必要経費=所得金額はわかりました。これから先は“所得控除”のお話になります。所得控除とはその人の生活事情によって引く金額という意味です。所得控除には15種類ありますが、まず基礎控除として全員の方が380,000円引かれます。次に多いのが、社会保険料控除です。会社勤めしていると健康保険・厚生年金には加入していることが多いですから、その掛金が全額、所得控除として認められます。15種類もありますから、自分に該当するものがないか、一度目を通しておくのも良いかも知れません。年末調整をしていない場合はやはりこの欄も空欄になり、確定申告が必要になります。

4.源泉徴収税額
所得税計算の集大成です。結局いくら所得税を取られているかを記載した欄が、この「源泉徴収税額」の欄になります。「1」「2」「3」で計算された金額(年収-必要経費-所得控除)に税率を下表の通り掛けることになります。

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例えば、先ほどの年収5,000,000円の人なら、3,460,000円が所得でしたから、特に扶養親族(自分の収入で養っている人)がいない場合、「3」の所得控除で基礎控除380,000円、社会保険料控除が670,000円(程度)ですから、3,460,000円-670,000円で、2,790,000円が税金計算の根拠金額となり、税率10%(控除97,500円)で、2,790,000円×10%-97,500円=181,500円が、最終的な税額となります。「2」「3」の欄が空欄の場合は、会社が預かって税務署に納付した多めの所得税額が記載されますから、重ねてになりますが、確定申告をして税金還付を請求しましょう。

いかがでしたでしょうか。収入・所得・所得控除・税率の関係さえ知っておけば、読み解くのが難解といわれている源泉徴収票も楽に読むことができます。無駄な税金を支払わないように気をつけましょう。