意外に便利! 独立・起業に利用できる「インキュベート施設」まとめ

知ってるつもり!? “インキュベート”の意味

“インキュベート”という言葉、耳にしたことのある方も多いのではないかと思います。“インキュベート”とは、設立して間もない企業や起業家などへの支援・育成をすることを指します。英語の”incubate”は、もともと「卵を抱く」とか「ふ化させる」という意味で使われていました(研究社『新英和中辞典』より)が、ビジネスのシーンでは「(計画・考えなどが)生まれる、具体化する」という意味で用いられています。

起業して間もない事業者は、何かと不安を抱きがち。そこで、これから成長していく段階の個人・法人に対してオフィスやノウハウを提供し、事業立ち上げ期の活動を支援していくのが、インキュベート施設の役割です。今回は、独立や起業を考える上で、知っておきたいサポートとして、大学及び自治体のインキュベート施設を紹介します。

大学のインキュベート施設

まずは大学に設置されているインキュベート施設を見ていきましょう(テナントの空室情報についてはリンク先でご確認ください)。

東京大学の産学連携本部に「産学連携プラザ インキュベーションルーム」という施設があります。東大の研究・教育成果の事業化を目指す個人・法人に対してオフィスを提供し、主に事業立ち上げ期の活動を支援しています。貸室2部屋、会議室3部屋が設置されています。募集要項はこちらです。教職員の他、「本学在学中の学生あるいは卒業後2年以内の個人で、1年以内に企業を予定している者」も対象となっています。

早稲田大学「インキュベーション推進室」では、教職員や学生の研究成果を基にしたベンチャー企業を支援するために設立されました。オフィススペースは9室(個室)とパーティションによって区切られた5室、及び入居者用打ち合わせスペースがあります。会議室も2室ある他、オープンスペースやブースも用意されています。募集対要項はこちら。代表責任者が、早稲田大学の教職員、もしくは学生であることが条件となっています。

東北大学には、中小企業基盤整備機構と宮城県、仙台市と大学が共同で運営する「T-Biz(東北大学連携ビジネスインキュベータ)」という施設があります。青葉山キャンパス(工学部)内に、オフィスタイプ、ウェットラボ(研究室)タイプなど、合計36部屋が用意されています。地域への新規ビジネス定着や地域経済発展への寄与を目的とし、募集要項はこちらより。「大学研究者の起業及び大学との連携(大学シーズの活用等)による起業や新たな事業展開を図ろうとする方」「(左記の)事業展開により産学連携の推進、地域経済の振興、大学・地域産業・関係機関とのネットワーク構築を図ろうとする方」と規定され、同大学の学生や職員でなくとも、応募は可能になっています。

この他にも、各大学にはインキュベート施設が用意されています。注意点は、大学の施設によっては大学の関係者が代表責任者である必要があったり、NPO法人など非営利団体の募集をしていなかったりすること。入居したいと思う大学施設の募集要項をしっかりと調べてみる必要があるでしょう。

自治体のインキュベート施設

次に、自治体が開設しているインキュベート施設を見ていきましょう。主に、地域経済の活性化を目的としており、大学の運営するものよりも、いくぶん窓口が広くなっています。

かわさき新産業創造センター(KBIC)
KBICは、2003年1月にオープンした研究開発型企業のインキュベーション施設です。当サイトには「スタートアップ期・アーリーステージの企業育成や企業の新たな事業分野への進出を支援するとともに、基盤技術の高度化を通して地域経済の活性化を図ることを目的として設置」と書かれています。

具体的な支援内容としては、
1:事業計画書の作成とブラッシュアップ支援
2:資金調達支援(金融機関の斡旋と補助金、助成金獲得サポート)
3:販路開拓支援(大手企業との商談会など)
4:ビジネスサポート支援(会社設立手続き、経理事務代行など)
5:技術支援・産学連携支援(神奈川県産業技術センターKAST 神奈川科学技術アカデミーなどとの橋渡し)
6:ネットワーキング(月例セミナー、ビジネス交流会など)
の6つが挙げられています。オフィスの設備は、スモールオフィスが8室、ラボが29室あります。募集要項はこちらです。

東京都中小企業振興公社(アスプラザ)
アスプラザは、昭和41年に設立された公益財団法人。「東京都における中小企業の総合的・中核的な支援機関として各種支援事業を提供し、東京の経済の活性化と都民生活の向上」を目的としています。

具体的な支援内容としては、以下のような項目があります。
1:総合相談(経営全般に関すること、経営改善・資金繰り相談など)
2:専門家派遣(中小企業診断士、社会保険労務士、公認会計士など。派遣回数に制限あり)
3:人材確保・育成総合支援(インターンシップ受け入れ支援など)
4:事業可能性評価事業(各分野の専門家が、事業化の可能性について評価やアドバイスを行う)
5:ISO取得支援等事業

ちなみにインキュベータオフィス情報のページには、東京都の21区・多摩地域、千葉県、埼玉県、神奈川県などの施設がまとまっています。各施設の概要はこちらのページから確認してください。

起業支援スペース「立志庵」
大阪市には、起業支援スペースがいくつかあります。中でも「起業支援スペース『立志庵』」は、大阪市内で6カ月後の創業を目指す事業企画や大阪市内に進出予定の中小企業・個人事業者向けの準備拠点となるスペースです。

支援内容は「経営相談室常駐のコンサルタントによる個別相談やワークショップ」、「利用者間の交流会」などがあります。

利用条件等はこちらのページにまとまっていますので、参考にしてみてください。

この他の地域でも、Googleで「インキュベーション 名古屋」などと調べると、各自治体が行っている、多くのインキュベート施設がヒットします。東名阪だけではなく、地方都市にもサービスを受けられる場所がありますので、起業独立時の不安を解消する一案として、まずはネットを使ってオフィス空室情報やサービス内容などを調べてみてはいかがでしょうか?