“スマートジュエリー”も登場、ファッション業界を巻き込むウェアラブル端末

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2014年は、“ウェアラブル元年”。Googleは、メガネ型ウェアラブル端末「Google Glass」を2014年5月15日から米国で発売したのに続き、6月23日にはその販売エリアを英国にも拡大させました。また、LG電子がスマートウオッチ「G Watch」を発表したほか、モトローラもスマートウオッチ「Moto 360」を2014年夏から販売することを表明。シスコシステムズ(Cisco Systems)の予測レポートによると、2013年時点で2200万台であったウェアラブル端末の市場規模は、2018年までの5年間で、その8倍を超える1億7700万台にまで成長すると見込まれています。

ウェアラブル端末は、ユーザーが直接身につけ、常時携帯することが想定されるプロダクトであるため、技術面でのさらなる改善もさることながら、ユーザーから「ぜひ身につけたい」と求められるよう、デザイン面からの工夫やファッショントレンドの先取りも不可欠な要素です。

Googleでは、Google Glassのデザインの多様化を視野に、2014年3月、有名サングラスブランドのレイバン(Ray-Ban)を傘下に持つ伊ルックスオルティカ・グループと提携を発表。また、2014年6月には、米ファッションブランド「ダイアン・フォン・ファステンバーグ(DVF)」とのコラボレーションライン「DVF| Made for Glass」の販売を開始しています。

一方、スタートアップ企業からも、ファッション性の高いウェアラブル端末が、次々と生まれています。

その先駆け的存在が、腕時計型ウェアラブル端末「Pebble(ペブル)」。2012年5月に、クラウドファンディングサービス「キックスターター(Kickstarter)」において、約6万9000人の支援者から総額1027万ドル(約10億4600万円)を調達したことでも話題となりました。

 

ユーザーの一日の消費カロリーや睡眠時間を自動的に計測する“フィットネス系ウェアラブル端末”の分野では、仏スタートアップ企業Withingsのスマートウオッチ「Activité」が、高級時計のようなエレガントなデザインを採用し、ファッションとテクノロジーとの融合を実現したものとして注目されています。

また、ファッショントレンドのみならず、最新テクノロジーにも関心の高い“ギーク女子”のためのウェアラブル端末として話題となっているのが、指輪型の「RINGLY」。スマートフォンアプリを介し、スマートフォンに着信した電話や受信メッセージを光や振動で通知してくれるウェアラブル端末です。18金のリング台にピンクサファイアやエメラルドなどの宝石がほどこされた、このゴージャスな“スマートジュエリー”は、先行予約の段階から、テクノロジー系メディアのみならず、ELLE(エル)GLAMOUR(グラマー)といった一流ファッションメディアでも広く取り上げられています。

ウェアラブル端末の進化に向けて、テクノロジー業界とファッション業界が、それぞれの業界の枠組みを超え、提携する動きもみられます。2014年1月、米半導体メーカーIntelは、ウェアラブル端末の開発において、米高級百貨店チェーンのバーニーズ・ニューヨーク(Barneys New York)らとの提携を明らかにしました。また、米ニューヨークでは、テクノロジー志向のスタートアップ企業と一流ファッションブランドをつなぐプラットフォームとして、「ニューヨーク・ファッションテック・ラボ(NYFT Lab)」が創設されています。

携帯電話やスマートフォン、タブレット端末といった従来のデジタルデバイスでは、機能やユーザビリティに関心が集まりがちでしたが、ウェアラブル端末は、これらに加えて、見た目のかっこよさ、美しさも、プロダクトの付加価値として重要なポイント。このような特徴ゆえ、プロダクトの開発や設計にも、従来のデジタルデバイスとは異なる視点やプロセス、パートナーシップが必要となるかもしれません。