役割分担でアイデアが湧き出る「カヤック流ブレストルール」が凄い!(後編)

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面白法人カヤックのブレストのここが凄い!

  • 制限時間は15分〜30分! 短時間でアイデアを膨らませる
  • 部署も職種も関係なし! 誰とでもブレストをする
  • 世間話や関係ない話もOK! そこから広がる「乗っかり」上手なブレスト

面白い会社の元祖と言っても過言ではない、面白法人カヤックさんにお邪魔してきました。前編ではカヤックさんのオフィスや、面白い人事制度、ワークスタイルをご紹介しましたが、後編では、カヤックさんの代名詞と言っても過言ではない「ブレスト」に参加させてもらい、カヤック流ブレストの方法や実際のブレスト中の様子をご紹介します。前編のオフィス訪問編はコチラから。

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オフィス探索中、今からブレストをする社員さんたちとバッタリ出くわし、急遽ブレストに参加させてもらえることになりました。カヤックメンバーとブレストできるのはうれしい…けど、ブレストに慣れているカヤックの社員さんに混じっていきなりアイデアを出す自信はない! ということで、はじめにブレストについて教えてもらいました。

いつブレストをするのか?

まず、いつブレストをするのかを教えてもらいました。カヤックさんでは大きく分けて3つのタイミングでブレストを行うそうです。例えば新規のクライアントワークだった場合…

  1. オリエン前(クライアントから要件を受ける前)
  2. オリエン後の提案に向けて
  3. 方向性が決まった後

と、3回のブレストを重ねます。「ブレストは、オリエンを受けてからするもの」という考えしかなかったので、オリエン前からブレストをするというのは驚きました。クライアントも「自分たちのことを考えてくれてるんだな」って気持ちになりますよね。これはぜひ取り入れていきたい考え方です。

誰とブレストするのか?

次に、誰とブレストするのかを聞いてみました。部署やチーム内でブレストをするのは他の企業でも一般的ですが、カヤックさんでは「部署も職種も関係なく誰とでもブレストをする」とのことでした。例えばアイドルを使ったプロモーションを考える場合は、社内のアイドルに詳しい人間に参加してもらったり、監修で入ってもらうそうです。実際に人事部の三好さんは、「クライアントワークや自社サービスのブレストに度々呼ばれてアイデア出しをしている」と説明してくれました。ちなみに、エンジニアさんは「こういう技術でこんなことができる」などといった、アイデアの起点になりそうな知識が豊富なのでブレストに呼ばれることも多いそうです。

カヤック流ブレストのルールとポイント

実際にブレストする際のルールと、アイデアが出るブレストにするためのポイントも聞いたところ…

【ルール】

  1. とにかくアイデアの量を出す
  2. とにかく相手を否定しない
  3. とにかく相手の意見に乗っかる
  4. ブレストの時間は15分〜30分

【ポイント】

  1. 議題の設定が大事
  2. ファシリテーター役を決める
  3. 「暴投でも空気を破る人」と「発言を受けとめる人」のキャッチボールが必要
  4. 沈黙になりそうなら、世間話や関係ない話をする
  5. 自分の持論や意見、哲学、知識のひけらかしは不要

上記ルールとポイントを教えてもらいました。ルールの「とにかくアイデアの量を出す」、「とにかく相手を否定しない」、「とにかく相手の意見に乗っかる」に関しては、実際にブレストを体験して肌身で感じることができました。各人が思いついたアイデアをポンポンと出し、そのアイデアに対して笑ったり、ツッコんだりしながら、アイデアに乗っかっていました。それをファシリテーターが上手くまとめてホワイトボードに記入していきながら、ブレストが本題とかけ離れそうになると方向を戻すなどして、アイデアが出やすい雰囲気を醸成していました。また、ブレストを15分〜30分と通常より短い時間で行うことで、ダレる時間もなく、集中してアイデア出しができる状態を作っているんだと感じました。

実際のブレストの様子

それでは、ここからは実際のブレストの様子を少しだけ紹介したいと思います。ブレストのお題は僕がなんとなく決めてしまった「シニア向けの和食に合うビールプロモーション」です。

ブレストのお題:「シニア向けの和食に合うビールプロモーション」

最近クラフトビールもメーカーのビールもやたらと「○○に合うビール」(例えば「和食に合うビール」など)という見せ方が多い昨今。このプロモーションをシニア向けに展開できないか? と考え、ブレストしてもらいました。

ブレストの登場人物

■人事部の三好 晃一さん(ファシリテーター)
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■デザイナーの佐藤 ねじさん
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■ディレクターの氏田 雄介さん
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■コピーライターの長谷川 哲士さん
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〜冒頭〜

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砂流「ワインって“味がひらいている”とか“作り手の顔が見える”みたいな味を評価する台詞ってあるじゃないですか? ビールってそういうのないですよね。ワインのあの言葉ってどうやって蓄えるんですかね?」
三好「それは、ソムリエが」
長谷川「そういったコンテンツを作ればいいのかぁ、ビール辞典?」
長谷川「あっ、“ビールの宝石箱だぁ”っていえば…」
氏田「洋食 対 和食!」
氏田「洋食 ワイン派 と 和食 ビール派でこう…」
長谷川「あのぉ~、北斗の拳を使って“YOU ARE SHOCK!” 、ヨウショック(洋食)ってどうですか?」
全員「いや、和食だって(笑)」
長谷川「で、ケンシロウを倒すんですよ! それで、ラオウがケンシロウに勝ったっていうのでニュースになるんですよ。じゃあ、シニアだったら孫と一緒に?」
三好「孫のセグメントあるね」
長谷川「孫の手にビール、孫の手がビールの広告になってるみたいな」
三好「あっ、孫の手タンブラーじゃなくて、孫の手でビールに泡を作るとかいいんじゃない? 孫の手をかりてビールに泡を作る」
佐藤「あっ、あれがあった。グラスのデザインで、あの日本画の狩野派みたいなの。そこにビールが入ると金屏風になるじゃん!」
全員「おおおぉぉぉ!!」
佐藤「和食に合うよ、きっと」
全員「おおぉ凄い!」
長谷川「不可能派っていうのはどうですか?」
三好「やばいやばいやばい! それめっちゃいい」
氏田「風神雷神で乾杯するとか」
三好「いよぉぉぉ~ぽん みたいな」
全員「それ、いいね!」

−−ここまででだいたい3分−−

砂流「おじいちゃんのゆっくり飲むビールってのをどうにかしたいなと。僕らがビール飲むときってガンガン飲んじゃいますけど、和食に合うってこと考えると、ゆっくり飲むってひとつあるなぁと思って」
長谷川「おっ、ターゲットとも合ってるそれは」
長谷川「ゆっくり飲む…スローライフ」
長谷川「あっ、スロービール、スローライフ!」
氏田「タワレコが書いてそうだね」
長谷川「タワレコも黄色だし」
全員「あっ、広がった!」
佐藤「そんであれじゃない? おじいちゃんのミュージシャン呼んで」
三好「あ〜、いいじゃん! 内田裕也とか呼んで」
全員「内田裕也いいね!」
三好「それで、シェケナベイベーって」
全員「爆笑」
氏田「酒…酒なベイベー」
全員「爆笑」
三好「いいじゃん!」
三好「あっ、そっか。和食に合うじゃなくてビールに合う音楽っていうくくりなら」
長谷川「ビールミュージック」
三好「ビールミュージック…ビアミュージックあるね!」
長谷川「ビアミュージック…ビア・マイ・フレンド」
三好「なんでELTなんだよ。BLTか」
全員「笑」
佐藤「盆踊りでビールを飲む動作を含めて踊るってのはどう?」
全員「おおおぉ!」

−−ここまででだいたい6分−−

終始こんな感じでブレストが進んでいき、15分が経つ頃にはホワイトボードいっぱいのアイデアが出てきました!

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他にも、

  • 遊園地のアトラクションのコーヒーカップをビールジョッキに変えて「酔えます」ってプロモーションする
  • 天国のおばあちゃんとビールが飲めるクラウドビール
  • お墓にビールをかける文化、墓ビールかけ専用ビールを造る

など、面白いアイデアがたくさん出ました。たった15分でこれだけの数のアイデアを出すなんて、改めて凄い! ブレストをして感じたのは、あえてダジャレを言ったり、思いついたことをすぐ口に出す「暴投でも空気を破る人(この場では長谷川さん)」と、それを受けて話を広げたり「受けとめる人(この場では佐藤さんや氏田さん)」と、それをまとめる人「ファシリテーター(三好さん)」がいることが、ブレストでは大事だと言うこと。そして、なにより笑いが絶えなかったです! ブレストという名の「エンターテインメント」じゃないかと思うくらい、場にいるだけで楽しい空間でした。自社でブレストする際も、役回りと、凝り固まらず楽しむ精神が大切かもしれません。

いかがでしたでしょうか?

オフィス訪問からはじまって、社内制度やワークショップ、そしてブレストまで、余すことなく面白い会社でした。なにかアイデアに困ったときはまたブレスト参加させてください! カヤックさん、ありがとうございました!

(砂流恵介)