インターネット業界の二大巨頭が目指す「世界総ネットワーク化」

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国際電気通信連合(ITU)によると、世界のインターネット人口は、総人口72.4億人のうちの41.4%にあたる約30億人。すなわち、世界では、未だインターネットが利用できない人々が、42億人以上、存在しています。

このような現状に対し、インターネット業界の二大リーダーであるGoogleとFacebookは、それぞれ独自のアプローチから、この課題の解決に取り組んでいます。

Googleの「Project Loon

Googleは、2013年6月14日、気球を活用したインターネット網の構築を目指す「Project Loon(プロジェクト・ルーン)」を創設しました。

このプロジェクトの基本コンセプトは、上空18〜28キロメートルの成層圏に通信機器を装備した、複数の高高度気球を浮かべ、これらの気球や地上のアンテナが接続し合うことで、インターネット網を構築するというもの。成層圏には、偏西風の影響により成層圏下部で吹く西風や、上中部で吹く東風のように、一定方向に安定した速度で風が吹く層が複数あります。そこで、これらの風を利用しながら気球を最適に制御することで、過疎地や遠隔地などにも、コスト効率と信頼性の高い通信ネットワークが構築できると考えています。

Project Loon は、2013年6月、ニュージーランドのカンタベリーで初の実証実験に着手。2014年には、ブラジル北東部のアグアフリア(Agua Fria)の学校でも、インターネットを活用した授業に成功しています。

Facebookを中心とする「Internet.org

世界規模のインターネットの普及に単独で挑むGoogleに対し、Facebookは、他社との連携により、これを実現しようとしています。2013年8月、Facebookは、スウェーデンの通信機器メーカー・Ericsson、フィンランドの電気通信機器メーカー・Nokia、米通信技術開発企業のQualcommら、テクノロジー系企業6社とともに、“インターネット環境に恵まれない50億人にインターネット接続を提供しよう”と提唱するイニシアチブ「Internet.org」を発足しました。

「Internet.org」では、コネクティビティ・ラボ(Connectivity Lab)など、Facebookの研究部門が中心となり、インターネット接続の向上・拡張に寄与する新しい技術の研究開発を進めています。

2014年3月27日には、人口密度に応じた多様な接続ソリューションを実現する技術的手段として、ドローン(無人航空機)や低軌道周回衛星を採用する方針を表明。地理的に制約の多い郊外地域では、短期間で展開でき、安定したインターネット接続を提供しやすい長時間滞空型高高度ドローンを活用する一方、人口密度の低い地域では、低軌道の静止衛星からインターネットを地上に発信することが想定されています。

デジタル・デバイド解消への道筋となるか?

インターネットは、情報メディアやコミュニケーション手段として、いまや欠かすことのできない生活インフラの一部。このような状況のもと、発展途上国でのインターネットの普及は、情報格差(デジタル・デバイド)を解消させ、医療サービスの多様化や、教育機会の拡大にもつながるとみられています。

「世界総ネットワーク化」という壮大なミッションを実現するためには、最先端技術の研究開発といった“ハード”の面と、地域住民を中心に、民間企業・政府・地域らが協力し合う“ソフト”とのバランスのとれた連携や融合が不可欠でしょう。今後、Googleの「Project Loon」やFacebookを中心とする「Interent.org」が、グローバル規模でこれらの取り組みを牽引する存在となってくれることを期待してやみません。

Creative commons: Some Rights Reserved. Photo by Ken Banks

(松岡由希子)