独立起業の前に!会社員が起業前後に陥りやすい4つの落とし穴

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「メディアに多数登場する有名社長も、元は一介のエンジニアにすぎなかった」といったエピソードを耳にしたり、文献を目にしたことで、「起業して自分のエンジニアとしての能力を試してみたい」「世の中に自分のアイデアをぶつけてみたい」と思い、起業を志す人も多いでしょう。しかし実際には、夢半ばにして独立起業のプロセスは雲散霧消し、途方に暮れる人も…。そこで今回は、その二の轍を踏まぬために、起業前に知っておきたい「会社員が起業前後に陥りやすい落とし穴」を紹介します。

1.「起業=会社のプロジェクトの延長」との勘違い

起業して行うべきプロジェクトは、会社のプロジェクトの延長線上に位置するものではありません。「会社にいてはできない」から起業する必要があるというケースがほとんどのはずです。しかし、いざ起業をすると、それを見失ってしまい、昔取った杵柄ということわざにあるように、会社時代のプロジェクトを達成するのと同じ手順を踏んで、失敗を招くケースも多くあります。一つのプロジェクト単位での視野で物事を見るのになれてしまうと、見失いがちなのが「会社の保護がいかに手厚かったか」ということです。会社員としての立場では見えない部分の多さに、プロジェクトに自ら予算と時間とを割く段になって気づくのでは遅いのです。

2.自分の実力・能力・人脈を過信する

「この会社は自分がいなければ成り立たなかった」「あの案件は自分一人でほとんどをこなした」といった、転職の自己アピールで役立ちそうな”華々しい経歴”を持っている人こそ、過信に陥りやすいものです。周囲のサポートを知らないまま「独力でやった」と思っているのであれば、起業後すぐに、一人でできる範囲の限界に突き当たってしまいます。そして、それはもし本当に自分一人でこなす能力があったとしても同じことなのです。また、そのような過信の強い人ほど、前職の会社の名刺がなくなった瞬間、人脈がなくなっていることにも気づかされるケースも少なくありません。

3.思い入れや思い込みが強く、ニーズを誤解する

真面目な人間や問題意識を持って仕事に取り組んでいる人間ほど、会社員時代に培ってきた得意分野ではなく、業界が必要としている分野で事業を始めてしまいます。このように起業への思い入れや使命感が強すぎると、逆にニーズ・ウォンツを見極める目が甘くなり、慈善事業のように行動してしまいます。そして、慈善事業から利益事業への脱却が難しくなります。このような新事業分野に参入する際は、自分の得意分野で利益基盤を確保してからにすべきだということを覚えておきましょう。

4.過去の成功体験に酔ってしまう

成功体験は、毒にも薬にもなります。特に会社員時代の成功は「そのままの勢いで起業してもうまくいく」といった、必要以上の楽観論をもたらします。過去の成功体験は、バックにリスクをヘッジしていた会社があってこその成功である可能性を忘れてはなりません。往々にして「会社員としてではなく、純粋に自分だけでやったほうがもっとうまくいった」と思ってしまいがちで、それが失敗の原因になるケースもよく見受けられます。また、他者の成功譚では、そのような「自分の能力以外のファクター」には、触れられていないことも多いのです。
いかがでしたでしょうか? 冒頭にあったような成功事例は、よく目に付きますが、それ以上に、多数の失敗事例があるのもまた事実。インタビュー記事やビジネス本にある独立成功譚も同様で、成功の影には、多くの失敗があったはず。それを気づかぬままに鵜呑みにしてしまうのは、まさに木を見て森を見ない典型と言えるでしょう。そうならないよう、今回挙げた4つの落とし穴にはまっていないか、セルフチェックを欠かさぬよう心掛けたいものです。

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(田中顕)