YAPCレポート(1):1300人超が参加したYAPC、他言語トークがアツかった #yapcasia

8月28日から8月30日までの3日間、慶應義塾日吉キャンパス内で「YAPC::Asia Tokyo 2014」が開催されました。YAPCは世界各地で行われている世界最大規模のPerlカンファレンスであり、Perlにかぎらず、様々な言語、インフラや運用、ハードウェア制御など、多岐にわたるトークが行われています。

今回、YAPCレポートを担当させていただきます放地宏佳 ( Hiroyoshi HOUCHI ) @hixi_hyi と申します。渋谷のIT企業で新卒2年目として働いています。Perl歴2年の自分が、今年のYAPC::Asia 2014のレポート第1弾を担当させていただきます。

YAPCの中でもYAPC::Asiaは規模が最も大きく、今年の参加人数は1361人と、昨年の1131人から2割増。多くの参加者で賑わっていました。そのせいか、広い会場であるにも関わらず、混雑を極め、立ち見、座り見が続出する状況でした。

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YAPC::Asia Tokyo 2014の動向

今年のトークの内容は、Perlに関するもの14件、インフラや運用8件、他言語6件、データ分析4件、ハードウェア3件、その他23件の計58件のトークがあり(筆者調べ)、低レイヤーから高レイヤーまで、幅広いトーク内容となっていました。

YAPC::Asia Tokyo 2013と比較しても、他言語、データ分析、ハードウェアといったPerl以外の分野のトークが新しく増えています。

エンジニアとして最前線を走っているスピーカーの方々のトーク内容の変化からは、単一言語やプログラミング知識といったものだけではない、幅広い知識がエンジニアに求められる時代に変化していることが伺えます。

聴講対象者としては、ビギナー向けのトークが半数以上であり、初心者の方でも参加しやすいよう、配慮されているように感じました。

このようなトーク内容の変化もあってか、参加者のバックグラウンドも多岐に渡り、Javaエンジニア、Rubyエンジニアといった、多種多様な参加者がいたように思われます。

他言語のトークを行うPerl Mongerの方々

自分はYAPC::Asia 2013、YAPC::Asia 2014と参加させて戴きましたが、トーク内容を見て真っ先に思ったことは「Perl以外の言語のトークが多い!」という感想でした。その上そのスピーカーの方々は、Perlの世界に対して多大なる貢献をしているPerl Mongerの方々だったのです。

Swift、Go、Scale、Java、PHPと言った多様な言語に対するトークがありましたが、「なぜ他言語についてのトークが増えているんだろう?」というのを知るために「いろんな言語を適材適所で使おう」というトークを聴講させていただきました。スライドは以下の通りです。

いろんな言語を適材適所で使おう

GMOペパボ株式会社・技術責任者である「あんちぽくん」さん(@kentaro)の「いろんな言語を適材適所で使おう」というトークです。

環境や言語、フレームワークが増えたことにより、技術の選択肢が増えてきている喜ばしい現状があるが、一方で、一度選択した技術はすぐに捨てることもできないないため、技術選択は慎重にすべきであるという始まりでした。

技術の中でも、大きな役割を果たすであろうプログラミング言語の「言語選択」。その「言語選択」の目的。「言語選択」の要素は何であるか。組織(会社)として、どういった「言語選択」をすべきであるか。ということを様々な記事、識者の引用を踏まえた上で述べたトークを聞くことができました。

まずはじめに、言語選択の目的として、「ユーザに提供する価値を最大化する」、「継続的にユーザに価値を提供し続ける」といった2点が大事であるという導入から始まり、誤った言語選択はユーザへの価値を継続的に創出できなくなることを述べられました。

言語選択を行う際の決定要因としては、「言語自体の特性」(パフォーマンスや型システム)、「コミュニティ」(YAPCのようなコミュニティや言語自体の継続性)、「エコシステム」(ライブラリの配布形態/充実度やフレームワーク)の3点があり、それを用いてスコアリングして評価を行うと述べられました。

しかしながら、システムは一度作れば終わるわけではなく、継続的に価値を提供する必要があるため、特に組織では、上記の言語選択の決定要因とは別な、未来を考慮したリアル・オプションの原理もしっかりと考えて行動したほうが良いという話に繋がりました。

不確実な未来に対して、様々な選択肢を残すためには、microservicesのような手法を用いて技術的分散化=(分散化の方向性、それぞれに多くの技術を取り込むこと)が重要であることを述べられました(調整コストというデメリットについても、もちろん言及されていました)。

最後に、言語選択を可能とするための組織として、技術的分散化、変化への適応、コミュニティやエコシステムに対しての変化への影響力を養うこと、の三点を養っていくことが必要である。というまとめで締めくくられました。

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まとめ

YAPC::Asia Tokyo 2014では、2013と比較して、他言語のついてのトークが多くありました。

あんちぽくんさんの発表から見えるように、エンジニア組織として、またエンジニア個人として、ユーザに対する価値を最大化するために、他言語の導入や勉強が始まっているのではないでしょうか。

また、参加人数の増加や、他言語の人がPerlカンファレンスであるYAPCに参加しているのもそういった理由なのかもしれません。もちろん、エンジニアとして当たり前だ、と思うところはあるとは思いますが、改めてそういう動向であるということを意識しようと筆者は感じました。

Perlのイベントだから……と敬遠されている方も、ハードウェアから分析といったところを含め、エンジニア動向も確認することができるイベントになっているので、ぜひ来年参加してみてはいかがでしょうか。

レポート/放地宏佳 ( Hiroyoshi HOUCHI ) @hixi_hyi

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