デザインは理屈で学べる! エンジニア向けデザインメンター業が求められる理由について聞いた

 

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アイデアは面白いのに、どうもダサかったり、UIがわかりにくかったりするWebサービスに出会ったことはないだろうか。

それはもしかすると、デザインを知らないエンジニアが、ふわっとした感覚と印象で作っているからなのかもしれない。そんなエンジニアでも、デザインのセンスを身につけることはできるのだろうか? プログラマー向けにデザインを教える“デザインメンター”赤塚妙子さんに話を聞いた。

プログラミングを学んだデザイナーが始めた“デザインメンター業“

今年の1月から“デザインメンター業”を始めたフリーランス デザイナーの赤塚妙子さん。美大を卒業後、デザイン事務所に就職。その後、Webの世界へ足を踏み入れ、今ではRuby on Railsの開発に参加するまでになった。

「自分がプログラミングを覚える中で、デザイナーとプログラマーが歩み寄る感じが面白くって。デザイナーがプログラミングを覚えることはあるけど、その逆はなかったので、共通言語ができないかなと思ったのが、デザインメンター業を始めた理由です」(赤塚さん)

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「動く小説投稿サイトDenkinovel」のデザインレビューの様子

赤塚さんがプログラミングを覚えるきっかけとなったのは、約2年前に入った「P4D(デザイナー向けプログラミング部)」というグループだった。「デザインしかできないと、絵を作ることしかできなくて、システムの向こうにいるユーザーの行動までデザインすることはできないんですよね。私はそういうところに興味があったので、P4Dのメンバーにわからないところを教えてもらいながら、必死で勉強しました」(赤塚さん)

理屈で学べば、エンジニアもデザインを理解できる

デザインメンターとは、具体的にどんなことをするのだろうか。

「デザインを教えるというと、セミナー形式で教科書を使って教えるのが一般的だと思いますが、デザインの答えは、決まっているわけではなく、あくまでも問題を解決するためのメソッドに過ぎないので、たとえ教科書を暗記していたとしても、実際に困ったときに、対処できないんです。だから、メンターとして私が実際の仕事に入らせてもらい、側面支援のような形で実践的に教えています」。

赤塚さんがメンターとして入るメリットは、それだけではない。プログラマーがデザインもわかるようになることで、デザイナーもプログラマーもあまり触りたがらないCSSをブラックボックス化するのを防げたり、GitHubでコードデビューをしながら、直接、改善案を教えてもらうことで、プログラマーの理解も深まり、デザイナーとプログラマーの垣根が低くなるという。

「エンジニアの方はみなさん本当に優秀だし、勉強熱心なので、オススメの本を紹介すると、次の週にはマスターしてくれて、教えるのがとても楽しいです。特にデザインの基礎的な部分は、プログラミングと同様に、理屈で説明できる部分が多いので、エンジニアさんにも理解してもらえると思います」(赤塚さん)

“デザインメンター業”が求められる理由

エンジニアがデザインをすると、何でこの色を使ったかという理由もなく、ふわっとした感覚でやってしまうのが面白いと語る赤塚さん。「プログラミングをするときには、絶対そのようしていないはずなのに(笑)。これは知識と引き出しがないからだと思っていて。ケーススタディーを知っていたら、理屈を当てはめていけるはずなんですよね」。

今年の1月からデザインメンター業を始め、早くも4月にはデザイナーの仕事はお休みをして、メンター業だけに専念するようになった。デザインメンター業がこれほどまでに求められる背景には、どんな理由があるのだろう。

「デザイナーをがっつりアサインするほどの予算がないなど、現場ではエンジニアさんがデザインもしなければいけないケースがとても多いことが1つと、業務的なプロダクトでは、デザインという感じではないけれど、UIの適切な情報設計をしなければいけない場面で必要とされます。あとは、CEOとCTOしかいないようなスタートアップで、CTOがデザインを勉強したいと頼んでくださることも。システムを触れるデザイナーさんって、探してもなかなかいないので、『じゃあ自分でやるか』となるケースもありますね」。

プログラミングでサービスの裏側を作れても、ユーザーに伝えたいことを表現する部分や、差別化を図るところでは、どうしてもデザインの力が欠かせないため、デザインを覚えたいという強い願望を持ったエンジニアは、多いと語る赤塚さん。今後はデザインメンター業の傍ら、自身がプログラマーと共同運営するサービス「最新の1件しか見えないゆるふわブログサービス pplog」や、現在開発中のチームのための情報共有サービス「esa」に力を入れていきたいのだそう。

“デザインメンター業”やプログラマー向けのデザインテクニックについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下のスライドも合わせてどうぞ。

(野本纏花)