かつて3回辞表を出した…新生ヤフーで宮坂社長がやったこと・やりたいこと

yahoo01

2012年6月に大抜擢でヤフーの社長に就任。“爆速経営”をスローガンに掲げ、スマートフォンへのシフト、人事制度の刷新、出店料も手数料もすべて無料にする「eコマース革命」などに取り組んできた宮坂学氏。福岡で開催中の「B Dash Camp 2015」で、社長就任から約3年を振り返るとともに、「変化しながら生き残りたい」と今後のヤフー像を語りました。

ヤフーを辞めようとしたことが3回あった

「就任時に印象深かったのは人事の大幅刷新」と、モデレータを務めたB Dash Ventureの渡辺洋行社長に振られた宮坂氏は、当時の背景をこう語り始めました。「やっぱり人事が一番のメッセージ。新しい何かを発表しても、人事が変わらないと『やる気あるの?』っていうのがありますんで。人事は今でも一番大事だと思っています。」

宮坂氏は、人事で重視するのは「局面に合わせた配役」と続けます。「僕はよく役職を配役と言うんですけど、俳優でもずっと主役だけやる人というのがいないように、作品に合わせて配役を決めるべきです。就任前はリーマンショックの影響で会社全体が守りの局面でしたが、就任時は攻めの局面に変わる時だったので、それに向いている人材にしようと」。

そんな宮坂氏ですが、社長就任前には3回ほど辞表を出したことがあったと明かします。「辞めようと思ったのは、外の人に誘われたのもありますし、思うように出来ないことがあったり。会社が大好きな時もあれば、やってらんねーなという時もあって、そういう波のどん底の時は辞めようかと思いましたね」。

通算何度目かの「動画元年」 今年こそ来る

PC時代では圧倒的な王者だったヤフーですが、宮坂体制では「スマートフォンファースト、PCセカンド」という戦略を打ち出したのも特徴です。社長就任時はアクセスの比率がPC90%、スマホ10%でしたが、今ではアクセスの4割近くがスマホ経由。次の3年では、「スマホのアクセスの質を変えたい」と宮坂氏は語ります。

「スマホのアクセスのほとんどはブラウザ経由。ヤフーはマスなサービスなので、アプリを落として使う人が得意じゃない人もいるためです。前の3年ではPCからスマホへのシフトが進みましたが、次の3年はアプリ経由のアクセスを増やしたいですね。」

話は変わって、渡辺氏に動画をどれくらい注目しているかについて聞かれた宮坂氏は、「毎年のように『今年こそ動画』と言い続けていましたが、最近は雰囲気が出てきた」と、「動画元年」の到来を予見。ヤフーの動画広告は満稿状態で「在庫が足りない」そうです。

yahoo02

ECもソーシャルサービスも「もっとやりようがあった」

ヤフーは来年4月で創業20周年を迎えますが、宮坂氏は次の20年でも「成長せずに生き残るより、変化しながら残りたい」と話し、今後の課題を次のように挙げました。

「今はグループ全体で7000人近くが働いていますが、20年後は多様性に富んだ組織にしないといけない。ヤフーは同世代で固まっているので、年齢的ダイバーシティーを受け入れながら進化するのが大きなテーマですね」。

過去20年間を振り返ると、「できなかったことばかりが目につきますね」と宮坂氏。「ECはもっとやりようがあっただろうなあと。15年前にできていたらこんなことにならならないですよね。ソーシャルサービスもそうですし。できたこともあるので、そこはよかったと思いますが。」

次の20年では、eコマースの広告に携わる人材を増やす仕事もしていきたいそうです。「ECの運用型広告をやっていて思うのは、実務をする人が足りてないなと。実務の人材を増やせば結果的に、僕らが営業で提案しても予算をとってもらえて話が早いですから。どこかの学校と組んでやるかもしれませんし、業界横断でヤフオクとAmazonさんと楽天さん、eBayさん、タオバオさんが全員使えるような人材を作るのはやってみたいなと思いますね。」