サイバー藤田社長「起業家が叩かれる問題が解消しつつある」

ALL

4月7日、8日に開催された「新経済サミット2015」は、2日間でのべ3200人超が参加し、国内外から招いた起業家やイノベーターは総勢70人超。社会人や経営者、起業家、そして学生たちに向けての数々のセッションが行われ、中には立ち見も出るほどの盛況ぶりであった。

このサミットのクロージングセッションのテーマは「世界で最もイノベイティブな国になるために」。新経済連盟代表理事を務める楽天の三木谷浩史氏(代表取締役会長兼社長)がモデレーターを務め、サイバーエージェントの藤田晋氏(代表取締役社長)ら登壇陣にサミットの総括を聞いた。

日本で起業家が称賛されない問題

サイバーエージェントの藤田晋氏

サイバーエージェントの藤田晋氏

先陣を切って発言した藤田氏は、日本の起業家に大きなチャンスが到来していると語った。「今回のサミットでは、安倍総理が駆けつけてスピーチを行ったり、日本で初めてベンチャー企業のために内閣総理大臣賞を創設する動きも見せた。アントレプレナーが日本では称賛されない、叩かれはするが憧れの職業にはならないと言われていたのが、解決されていくような手ごたえを感じた」。

新経済サミットでは、X JAPANのYOSHIKI氏がトークセッションで「日本はもっと起業家を褒め称えるべき」と訴える場面があった。ネクストの井上高志氏(代表取締役社長)はその話に触れ、「24時間投げ打ってイノベーションを起こそうと、強いパッションを持つ人たちがいる。失敗する人もいる中で、人生かけてチャレンジする人を褒め称えるべき」と賛同した。

日本のスタートアップ業界については、「10年前と比べて、シリコンバレーなど先進国のエコシステムに引けを取らないほどに進化している。社会を変えようとするアントレプレナーやイノベーターたちが、協力しあって社会を変えていこうとしている」と高く評価した。

メモるだけではダメ

楽天の平井康文氏(代表取締役副社長執行役員)は、「話を聞いてメモるだけではダメ」と、会場に詰めかけた起業家や学生に向けて熱いメッセージを送った。「自らがチェンジエージェントになって一歩踏み出す、行動計画をぜひ作っていただけたらなと思います」。

この発言には、政府の規制改革メンバーでもある、フューチャーアーキテクトの金丸恭文氏(代表取締役会長兼社長)も強く賛同した。

「最近私と議論している霞が関の高級官僚たちが、『いい大学を出てネームバリューのある企業に入る、あるいは司法試験や上級試験を通って役人になるのがエリートの道だと思っていたが、アントレプレナーという道があることを初めて知った』と言う。そして、早く知っていれば』とも。ここにいるみなさんは行動に移していただき、いずれこの壇上に上がる人が出てくれば。」

「Airbnbは実行しようと思えば困難ではない」

楽天の三木谷浩史氏

楽天の三木谷浩史氏

新経済サミットでは、日本では法的に認可されていないAirbnbやLyftといった米国スタートアップの創業者も登壇。そのセッションで自民党議員のふくだ峰之氏が「グレーならガンガンやっちゃえばいい」と提案したが、フューチャーアーキテクトの金丸氏も「実行しようと思えば困難ではないビジネスモデル」と後押しし、起業家にエールを送った。

「世界中の若い人もサラリーマンも含めて年々起業しやすい環境になってきている。技術革新が連続して起きるので、先行している企業があるからといって決して不利なわけではない。今回をきっかけにアントレプレナーシップの種火がともって、何かのきっかけで火が付いてくれれば。」(金丸氏)

Lyftの競合であるUberもよく利用するというソースネクストの松田憲幸氏(代表取締役社長)は、「あのビジネスがすごいのは、みんな普通に運転したくて、人と話したいという欲求がすごくあって、その願いを叶えながら、お金も儲けられること」と、趣味と実益を兼ねたビジネスであると絶賛。日本には法規制の問題があるものの、「今後に期待したい」と話した。

グレーゾーンをめぐる発言については三木谷氏が、「グレーゾーンはやれっていう話でしたよね。みんな驚きましたよね。やっていいの?って。でも、ちゃんと録画してありますから」と会場からの笑いを誘う一幕もあった。