パックマンのソースコードもある「あそぶ!ゲーム展」はマニアから子供まで楽しめる

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今年も年末商戦を迎えて盛り上がるビデオゲーム業界だが、昨今ゲーム業界で隠れたトレンドとなっているのがレトロゲーム、とくに1970~90年代のタイトルだ。

そうした人気の中で、埼玉で開催中の「あそぶ!ゲーム展 -ステージ1:デジタルゲームの夜明け-」が静かな注目を集めている。特徴は、豪華なスタッフと大手メーカーの協力などにより、世界的にも珍しいゲームタイトルや、当時のゲーム台をほぼそのまま用意した点、そして可能な限り実際に遊べるという点。

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展示されているタイトルは「スペースインベーダー」や「パックマン」といった歴史的名作をはじめ、1958年に開発されたテニスゲーム「テニス・フォー・ツー」や、1971年に登場した世界初の商業用ゲーム「コンピュータスペース」、1972年の世界的大ヒット作「ポン」など、1970年代後半から1980年代前半の名作たちが中心。中には当時から出荷台数が少なく、世界的な激レア作品も含まれる。

「スペースインベーダー」と「パックマン」は特設ルームで集中的に紹介

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会場は埼玉県川口市の「SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ映像ミュージアム」。入場料は大人510円、小人250円。ただし入場料を払えば中のゲームは遊び放題(一部は日時限定だが)なので、時間に余裕がある際はかなりお得度が高い。

会期は2016年2月28日(日)までだが、これは全3回が予定されている中の第1回という位置づけ。今回は副題のように黎明期から1980年代ぐらいまでのタイトルが展示されているが、第2回や3回ではより現在に近いタイトルの展示となるという。

さて今回は、第1回展示の中心となっている歴史的大ヒット作「スペースインベーダー」「パックマン」の特設ルームを中心にお伝えしたい。壁が赤く塗られているのが前者の部屋、黄色いのが後者の部屋だ。

 

インベーダーの「元絵」にパックマンのソースコードも

 

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まず驚くのは、ルームの中に入ると見える、壁に貼られた多数のパネル。開発者インタビューや開発資料、そしてハードウェアとなる「基版」の実物ならびに解説など、非常に珍しい資料だ。それらの資料の質も驚くべきもの。本誌読者にとって興味深いであろう、プログラム(コード)のリストやキャラクターデザインのイラストをはじめ、ハードウェアとなるゲーム基板の実物や解説などが随所に展示されている。

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スペースインベーダーなどは、プリンタがまだ貴重な時代だったこともあり、フローチャートもプログラムリストもなんと手書き。さらに驚くのは、敵キャラであるインベーダーのアイデアスケッチだ。昨今はタイトーがキャラクターとして使っていることもあり、ゲーム中のドット絵は知られているが、その元絵となるスケッチは非常に珍しい。

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いまや元絵があるという連想ができないほど浸透したインベーダーだが、このスケッチを見ると、なるほど、これはこんなイメージだったのか!! と、いまさらながら新鮮な驚きがある。こうした「古くて新しい」発見ができるのはこの展示の見所なのだが、それを代表するような展示だろう。

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パックマンはキャラクターの絵 (いわゆるドット絵)が収録されたダンプリストや、初期のアイデアスケッチなどを含めた展示。とくにアイデアスケッチでは「食べるのに時間が掛かるためその場で止まってしまう大きなエサ(クッキー)」や「一定時間で開閉するシャッター」といった、実際のゲームで導入されていたら大きくプレイ感覚が変わったであろう案も見られる、非常に興味深い資料だ。

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さらに、今回の展示用に新規収録された、「スペースインベーダー」開発者の西角友宏氏と「パックマン」開発者の岩谷徹氏が自ら語るビデオインタビュー映像も見どころだ。
「パックマンのゲーム速度はもともと発売版よりかなり遅かったが、開発中にテストプレーヤーからの評価が高かったので現在の速度になった」など、現在だから語れる開発秘話などを聞くことができるアツい内容となっているので、来場したらぜひ見て欲しい。

 

資料は貴重でも主役はゲームそのもの、楽しく遊ぶ親子連れの姿も

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しかしここまで凄くても、この展示会では資料展示は脇役でしかない。やはり主役はゲームそのものを遊んで、楽しんでもらうこと。こうした点から、スペースインベーダーはアップライトタイプ(立って遊ぶタイプ)とテーブルタイプの2台を、パックマンはテーブル台を設置し、自由に遊べるようになっている。

 

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特筆すべきは、可能な限り当時から使われている部品をオーバーホールして使っていること。レバーやボタンの付いたコントロールパネルにはじまり、インストラクションカード(遊び方説明)やライセンス証明書(純正製品であることの証明書)に至るまで、当時から稼働しているものをメンテナンスして使っているのだ。

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取材当日は日曜だったこともあり、家族連れも姿も多く見られ、当時は生まれていなかったような子供たち、そしてゲームの得意なお父さんがヒーローとなり、子供からの尊敬を受けて一緒にプレイしている……という、素敵な光景も見られた。これは間違いなく、ゲームは遊んでこそ、という主催側の考えが「当たっている」証明だろう。

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そして出口には、iOSやAndroidタブレット機でこの2作品をプレイできるコーナーも。お父さん世代や昔のプレーヤーにとっては、これらの作品が世代を越えて遊び継がれていること、そして子供たちにとっては昔には、今では見られないような新鮮なゲームがあった、という体験を届けていたのが印象的だった。

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冒頭で紹介したように本展示会は、さらに多数のゲームが遊べて、楽しめる状態で展示されている(上写真はレトロフューチャー感あふれる「コンピュータースペース」のゲーム台。製造は44年前で当時の生産数も1500台という、いまや世界的にも貴重な製品だ)。続く記事では、そうしたレアなゲームタイトルを中心に、他のタイトルについて紹介したい。