最後に成功すれば勝ち、人の記憶は上書きされる――ホリエモンが語る“成功論”

「いくら失敗したって、人の記憶なんて曖昧(あいまい)なもの。最終的に成功すれば、『成功者』として上書きされるんですよ」と語るのは、SNS ファウンダーの堀江貴文氏。

12月15日、東京・渋谷で開催された「失敗力カンファレンス」で、堀江氏とサイバーエージェント社長の藤田晋氏とのスペシャル対談が行われた。対談のタイトルは「失敗力1本勝負!」。

何をもって、「上書きされる」と言い切れるのか。対談の様子をかいつまんでお伝えする。

いわゆる「ライブドア事件」で収監されていた堀江貴文氏は、「失敗しても最後ではない」と語る

いわゆる「ライブドア事件」で収監されていた堀江貴文氏は、「失敗しても最後ではない」と語る

「ようやく自由にアメリカに行けるし社長にもなれる」

昨日、米ニューヨークから帰国したばかりだという堀江氏に、「何をしに行っていたのか」と藤田氏が質問。堀江氏は、「(米民間宇宙開発企業の)スペースXに行ったり、NASA(アメリカ航空宇宙局)のジェット推進研究所に行ったり」したという。

収監歴があると、入国審査が厳しくなるという米国に自由に行けるようになったのは最近のことで、「去年は(有効期間内に1回のみ入国できる)シングルエントリーのビザしか取れなかったんですが、今年は1年間に何回も行けるマルチエントリーのビザが取れたんです」と堀江氏が説明。それに対してすかさず「それはおめでとうございます」と返す藤田氏に会場は笑いに包まれた。

自由にできるようになったことは、それだけではない。堀江氏自ら説明する。「11月9日をもって刑期満了から2年が経ちました。おかげさまで、会社法上の取締役にも自由に就けるようになりました」。

「刑務所は、入ろうと思えば誰でも入れるが、入らないほうがいい」

堀江氏から、刑務所内での話を前もって聞いていた藤田氏に「その期間はあった方が良かったのか」と尋ねられると「なかった方がいい」と堀江氏。「唯一良かったことがあるとしたら、体重が減ったこと。確かにスマホ中毒のデトックスもできたし、沢山の本も読めたけど、それだけの時間を外で過ごせていたら、もっと多くのことを成し遂げられたはずだから」。

さらに「誰しも行く可能性があるし、入ろうと思えば誰でも入れる」と述べ、いくら“失敗力”とはいえ、そこまでの失敗はしないようにと注意を促した。

新経済連盟理事も務めるサイバーエージェント社長の藤田晋氏。堀江氏とは旧知の仲のためか、歯に衣着せぬ軽妙なやり取りを繰り広げていた

新経済連盟理事も務めるサイバーエージェント社長の藤田晋氏。堀江氏とは旧知の仲のためか、歯に衣着せぬ軽妙なやり取りを繰り広げていた

「スーツにネクタイで渡邉恒雄さんに挨拶に行くべきだった

堀江氏に対して「最初に会ったときに、実現方法を考えていないのにすごいビジョンを持っている人だ」と感じたという藤田氏。「僕は堀江さんが『できる』と言うことに対して刺激を受けて、できるだろうと考え、実現する方法を考える。僕が堀江さんから学んだのは、言葉は悪いかもしれないけど、大口をたたくことの大事さです。大口をたたけば周りも『そこまで言うのならできるのではないか』と考えて、巻き込まれて実現してしまう」。

それに対して堀江氏も「自分は先頭を切るからたたかれる。でも、僕のやりたかったことを実現する人たちが出てきた」と説明。「プロ野球の話でしょうか」と2004年に堀江氏がプロ野球球団を買収するのに失敗してしまったときの話を持ち出されると、「自分が失敗したからほかの人が成功したんだ」と笑いながら答えつつ次のように続けた。

「プロ野球の歴史をきちんと調べれば、Tシャツではなく、スーツにネクタイ、そして渡邉恒雄さんに挨拶に行くべきでした。三木谷(浩史)さんが成功したのは、僕の失敗があったから」。

「もしも“あの時”に戻れたら?」という藤田氏の問いかけに、堀江氏は「スーツにネクタイ、そして渡邉恒雄さんに挨拶に行きます」と答えていた。

「何回失敗してもチャレンジし続ける。成功すれば成功者として記憶される」

自由に取締役になれるようになったにもかかわらず、「最近、芸能活動にいそしんでいる。失敗したから社長業をしないのか」と尋ねられると、「そうではない」と説明する堀江氏。「昔からの目標だったロケットを飛ばすということを実現させたいとか、IT関連の事業とか、やりたいことがたくさんある。全部に対して社長をやるわけにいかないですからね。社長になったら、それに集中しないといけないけど、今は1つのことに集中していられないんです」。

そして、「自分が本当に集中したい仕事が見つかったら、また社長をやるかもしれません」と付け加えた。

自身の経験から、「失敗しても、後に成功すれば人々の記憶は上書きされる」と堀江氏は力説した

自身の経験から、「失敗しても、後に成功すれば人々の記憶は上書きされる」と堀江氏は力説した

最後に「聴衆にメッセージを」と促された堀江氏は、60代で銃刀法違反、向精神薬取締法違反などをして懲役刑に服しても、『宇宙戦艦ヤマト』のプロデューサーとして記憶されている西崎義展氏の半生について、また、最近テレビ出演が多いことから“クイズ芸人”だと勘違いされているという自身の経験について触れてから、次のように締めくくった。

「今の時代は、失敗しても命までとられることはない。何回チャレンジして何回失敗しても、最後に成功したら勝ち。人間の記憶はあいまいなため、上書きされる。あと10年くらいすれば、きっとライブドアショックのことも忘れられると思う。僕が宇宙ロケットのビジネスに成功したら、今度は『堀江貴文は宇宙ロケットの人』と言われるようになるでしょう。すべてを失ったとしても強い意志があれば再び浮上できるし、成功者として記憶は上書き保存されます。ですから、たとえ大きな失敗をしてしまったとしても、それで最後だと思わず、ぜひとも頑張ってほしいものです。」