Snapchat、インスタ、SNOWーー日本で流行る “消える”系コンテンツは?

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FacebookやInstagramよりも早いスピードでユーザー数を獲得。ついにはTwitterのユーザー数を上回るなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けている「Snapchat(スナップチャット)」。海外では数年前から企業のマーケティングツールとしても使われ始めており、マーケターにとっては最も注目すべき存在といえる。

実際、海外ではマクドナルドやBURBERRY(バーバリー)といった大手企業が、”若者との接点の場”としてSnapchatを活用したプロモーションを実施し、効果を得ている。今、最も注目されている「Snapchatマーケティング」について学ぶべく、リクルートの新規事業開発室「Media Technology Lab」が10月27日に勉強会を開いた。

登壇したのは、Snapchatユーザーグループ「Snapchatters JAPAN」を運営する株式会社WAVESTの松村淳平さん、インスタグラマーキャスティングサービス「ROOSTER」を運営する株式会社PASTUREのカイユリコさん、Snapchatやインスタグラム、ストーリーマーケティングなど国を超えたマーケティングに取り組む株式会社CyberZの兵頭陽さん。イベントで語られた主な発言をまとめた。モデレーターはSnSnapでオウンドメディア「COMPASS」の編集長を務める石井リナさんが務めた。

ミレニアル世代に人気の「Snapchat」。マーケティングツールとして一体何ができる?

SNSコンサルタントの石井リナさん

SNSコンサルタントの石井リナさん

“ミレニアル世代”と呼ばれる、今の若者たちを中心に世界中で使われているSnapchat。おそらく、サービス名を聞いたことのある人は多いと思うが、具体的にどのような機能があるか知っているだろうか?SNSコンサルタントの石井さんは、Snapchatには主に5つの機能があるという。

「犬のフィルターなどでスナップが撮れる機能、LINEのような感覚で友人とチャットできる機能、自分の動画をアップできるストーリー機能、企業のコンテンツを閲覧できるディスカバー機能、あとは最近できたスナップが一時保存できるメモリ機能の5つがSnapchatの主な機能となっています」(石井さん)

ユーザーに直接チャットを送ったり、メモリを上手く使って投稿のタイミングを工夫したりする。最近になって、そのような企業も出てきているそうだが、企業がマーケティングの一環として活用できる機能はスナップとストーリー、ディスカバーの3つがメインとなっている。

では、それぞれの機能でどんなことが出来るのだろうか?

スナップで出来ることは主に広告。Snapchatならではの機能『ジオフィルター』を使用することで広告効果は更に高まるという。例えば、マクドナルドは「ジオフィルター」を活用し、それぞれの場所で使えるオリジナルフィルターを提供することで1万4000ヶ所で308万回もジオフィルターが活用されるなどプロモーションに成功している。

「ストーリーはInstgramやTwitterの運用などSNSのオーガニックな運用ができるようになります。企業がアカウントを持って、情報発信ができる。スターバックスは社会的に意義のある情報を発信するなど、いい意味で”スターバックスっぽくない”投稿をしていてすごく上手いなと思います」(石井さん)

ディスカバーもスナップと同じく広告がメイン。動画広告などを企業のチャンネルから配信することで、プロモーションが行える。

「Snapchatを企業が活用するにあたって、18歳〜34歳のミレニアル世代が使っているプラットフォームであることを認識した状態で使用することが重要。また、10秒で消えたり、縦型であったり、これまでになかったSnapchatならではのフォーマットを理解することも大切になると思います」(石井さん)

Snapchatの対抗馬「Instagram Stories」の魅力とは?

株式会社PASTURE カイユリコさん

株式会社PASTURE カイユリコさん

海外では当たり前のように使われているSnapchatだが、イベントに登壇したカイユリコさんは、日本ではその対抗馬ともいえる「Instagram Storiesのほうが流行ると思う」と述べる。

「Instagram Stories」とはInstagramが今年の8月にリリースされた、24時間経過すると投稿が消えてしまう写真投稿サービス。リリースから3カ月しか経過していないが、すでに1日の利用者数は1億人を超え、Snapchatを追随しているという。

「Snapchatと違い、顔認識のフィルターがないなど機能的には劣る部分がありますが、自社のファンになっているフォロワーに対して、アプローチできる。Snapchatで100万人にリーチしても、そのほとんどがターゲット層ではない可能性もあるので、広告価値でいうとInstagram Storiesの方が高いと思います」(カイさん)

Googleで検索するよりも、Instagramでハッシュタグ検索をして、何を買うか、どこへ行くかを決めているミレニアル世代。Instagram Storiesは検索画面に優先的に表示されるため、広告の訴求力は非常に高いそうだ。

「Instagram Storiesを使った主流なプロモーション方法は3つあると思っています。一つ目は事前のキャンペーン告知。24時間で消えるプロモコードを配信したり、限定アイテムの在庫数を配信したりといった使い方です。二つ目はサイト誘導。動画の冒頭部分のみを配信して、『続きはWebで』という形でサイトに誘導するというものです。最後はタイムラインに載せたくないバナーの配信。Instagramのタイムラインはブランディングされていて、すごく作り込まれたコンテンツを載せる場所ですが、Instagram Storiesはそこまで作り込まれたコンテンツを配信してもいいので、バナーの配信などに効果的かなと思います」(カイさん)

例えば、エナジードリンクで有名な「RedBull」はサイト誘導を目的に動画を配信したり、料理の動画を配信しているメディア「Tastemade」は料理の裏側などをInstagram Storiesを使って配信しているそうだ。

Snapchatは日本で流行らない?

株式会社WAVESTの松村淳平さん

株式会社WAVESTの松村淳平さん

海外では広告・プロモーションツールとして活用されているSnapchatだが、マーケターにとって気になるのは日本で流行るかどうか。これに関して、松村氏はこう語る。

「Snapchatは日本で流行らないと思いますね。日本は独特なマーケットで、チャットをしたければLINEがあるし、顔の加工をしたければSNOWがある。さらには時限性の投稿をするためのツールとしてInstagram Storiesも出てきた。これだけのツールがあるので、あまりSnapchatをやる理由がないんじゃないかな、と思います」(松村さん)

Instagram StoriesやSNOWなど、新興サービスが続々と立ち上がっている。カイさんは今後、「Snapchatを取り巻く環境は熾烈を極める」と見ている。

「今、”消える”系コンテンツで日本で使われているのはSNOWなんです。SNOWがここまで流行った理由はInstagram上でフォロワー数が数千人〜数万人のマイクロインフルエンサーに一斉に使わせて、流行っている感を演出したことで使われ始めたんです。ただ、InstagramはSnapchatを徹底的に排除していて、プロフィールリンクを載せることもできない。ソーシャルを使ったプロモーションができないので、なかなか難しいなと思います」(カイさん)

その一方で、兵頭氏は「日本でも流行る可能性がある」と言う。

「まだまだ使われていない印象はありますが、流行に敏感なアーリーアダプターは使っているので流行る可能性は残っているんじゃないかと。日本は独特なマーケットなので、海外とはまた違った文脈で流行ることも十分にあり得ると思います。」(兵頭さん)

株式会社CyberZの兵頭陽さん

株式会社CyberZの兵頭陽さん

SnapchatはFacebookやTwitterといったSNSに比べ、企業発信色が強く、アメリカではテレビのような使われ方もしているという。ディスカバーの枠で新番組を流したり、新商品の情報を発信したり、定期的にSnapchatにアクセスする文化が形成されているそうだ。

そういう意味では、日本でもユーザー同士のコミュニケーションが増えて流行るのではなく、企業がユーザーと接点を持つ場として流行ることは十分に考えられる。

コンテンツの表現方法が多様化している今の時代。ひとつの表現場所としてSnapchatは日本でも流行るのか、マーケターは今後の動向にも注目すべきだろう。