2017年にエンジニアが求められるスキルは? 求人データから市場動向を読み解く

エンジニアのキャリアを考える際、企業が求めるスキルを兼ね備えているかどうかが、ひとつのポイントとなります。では、企業はどんなスキルを持ったエンジニアと仕事がしたいと思っているのでしょうか。

そこで今回は、エンジニア・クリエイターに特化した求人案件を提供するレバレジーズの「レバテック」の協力を得て、2016年の求人データを収集。今年の結果をもとに、レバテック事業部長の林英司さんに、2017年のエンジニア市場を予測してもらいました。(HRナビ編集部)

幅広い業種・サービスの開発に対応できるJava、PHPが今年も圧倒的シェアを占める

 

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エンジニア向けの業務委託案件や求人のうち、今年最も多くの割合を占めたのはJavaでした。Javaは全体の約3割を占めており、次いでPHPが17.9%という結果でした。年ごとに見てもJavaとPHPのシェア率はほぼ変わっていません。

Javaは金融系や物流系といった業務系システムをはじめ、BtoB、BtoC問わずどんなシステム開発にも対応できるため、この業界では最も使用されており必然的に案件・求人数も多く、2016年も圧倒的シェアを誇っています。

Webサービスを素早く開発できるPHPはBtoCを中心に多くのWebサービスで使われており、シェア率2位となりました。PHPエンジニア人口も多いので、新規サービス立ち上げ時でも人員が調達しやすい点が企業の強い支持を得ているようです。

3位のJavaScriptについては、HTML5の登場やブラウザの発達により、フロントエンドで実現できることが増えたことが関係しているでしょう。SPA(SinglePageApplication)などリッチなフロントエンド開発が求められるようになった他、フロントエンドだけでなくサーバサイドの開発でも活用されることから需要が高くなりました。

C#はJavaと同じく様々なアプリケーション開発に使える万能な言語であることに加え、Windows系の製品に使われていることが多いことから根強く使われており、シェア4位という結果になったと考えられます。

ちなみに、iOSアプリケーションの開発で使われる6位のObjective-C/Swiftでは、Objective-CよりSwiftでの開発を希望する案件・求人が増えてきました。また全体の割合としてはまだまだ少数派ですが、サーバサイドだと近年GoやRubyの案件・求人が増えはじめています。

データ分析ニーズの高まりでライブラリが豊富なPythonの案件・求人が急増

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業務委託案件・求人に占める割合はJavaやPHPが圧倒的でしたが、シーズンごとの案件・求人数の伸び率はどうなっているでしょうか。各言語・技術の2016年1~3月の案件・求人数をゼロとし、その変化を見ていきましょう。

2016年1~9月で最も案件・求人数の増加が著しかったのはPythonでした。案件・求人全体では1.6%しか占めていませんでしたが、2016年は機械学習がトレンドとなり、それに伴う形でデータ分析周りのライブラリが豊富なPythonの需要が7月以降に急増したのではないかと考えられます。

次に伸び率が高かったRubyは、Ruby on Railsというフレームワークが非常に優秀とされています。アップデートされるのが速く開発効率が良いので、スピードを重視するスタートアップでの採用が増えています。また弊社でPHPからRubyに乗り換えた企業数社に簡単なヒアリングを行ったところ「エンジニアのモチベーションアップの為」という回答をいただきました。トレンドの技術を業務で触れられる点はエンジニアにとって魅力的かもしれません。

3位、4位となったC/C++、Unityはゲーム開発で使われることが増えました。とくにUnityでの開発案件は「レバテック」でも着実に増えてきています。目新しい技術というわけではありませんが、時とともに不具合が少しずつ解決され、新機能も増えた安定したツールになったことから、使用するケースが増えているのでしょう。

業務委託案件・求人数のシーズンごとの変化は、別々に見ると人材業界ならではの傾向も見えてきます。

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1~3月のそれぞれの件数を基準とすると、業務委託案件は4~6月に増加する一方で求人は伸び率がぐっと下がるといった相反する伸び方をしています。これは年度末を見据えて転職者が増えることや、新年度に向けた組織体制の変更、また単純に余った採用予算を消化する企業が出てくるため、1~3月に求人が集中することが大きく関係しています。つまり、4~6月に求人が減るというより、1~3月に求人が急増するのです。その後4~6月で落ち着いていき、下半期にかけて徐々に増え始めます。

業務委託案件に関しては、多少のバラツキはあるものの、求人ほど時期に影響を受けることはありません。案件数とは少しずれますが、6月・9月・12月・3月の四半期末は業務委託契約の動きが活発になります。契約期間の切れ目となることが多いため、7月・10月・1月・4月に向けて新規契約へ動きはじめる企業が増えます。

もし転職を考えるのであれば1~3月、フリーランスとして業務委託の案件を受注するのであれば四半期末を見越して動くとキャリアアップに向けた選択肢が増えるかもしれませんね。

Unity、Python、Rubyに注目!2017年のエンジニア市場

2016年のエンジニア市場における業務委託案件・求人動向をまとめると
1.Java、PHPが依然として圧倒的シェアを誇る
2.機械学習がトレンドとなり、データ分析まわりのライブラリが豊富なPython案件・求人が7月以降に急増
3.Unityでのゲーム開発が増え、UntiyとC#の需要が増す

という点がわかりました。

今年の結果を踏まえ、2017年はUnity、Python、Rubyの需要が高まると予測しています。

まずUnityですが、安定してこれからも案件・求人は増え続けるでしょう。今までのような3Dゲーム開発もそうですが、様々なVRプラットフォームへ対応していることからVR案件が増え、Unityの需要が高まると考えています。

Pythonは機械学習などのトレンドも後押ししてデータ解析の必要性が増していくはずなので、2017年も案件・求人が増え続けるのではないでしょうか。

そしてRubyですが、数年前はPHPで作っていたサービスをRubyで作る企業が増えてきました。PHPは手早く簡単というイメージがありますが、いろんな書き方でも動いてしまうため、チーム開発の連携でバグが頻発することを短所と考えるエンジニアもいます。そういったエンジニアたちがPHPでの開発を経てRubyを使用するようになっているのではと推測しています。一方で、一部の大手IT企業ではPHPで立ち上げたサービスが、ユーザーの増加から性能の限界を感じてGoやScalaに移行していくという動きが出てくるかもしれません。

技術には流行り廃りがあるので、市場の動きを意識してキャリアを考えていくと効率の良い転職活動やスムーズな業務委託案件の受注に繋がるかもしれません。是非参考にしてみてください。