「SNSほど夢のある場所はない」 モテクリエイター・菅本裕子(ゆうこす)のセルフブランディング論

「アイドルを辞めて一時はニートになっていた私が、いま自分の“やりたいこと”をやれている。だからこそ、SNSってすごく夢のある場所だと思うんです」

こう語るのは、“モテるために生きてる”をテーマに掲げ、モテクリエイターとして幅広く活動する “ゆうこす”こと菅本裕子さんだ。2012年にアイドルグループ「HKT48」を脱退し、彼女はSNSを活用して自分自身のキャリアを切り開いていった。

具体的に取り組んだのは、TwitterやInstagramを中心とした情報発信だ。「モテ」をテーマにSNS上でセルフブランディングを続けていった結果、女性を中心に支持を獲得していく。さらに、モテに関するイベントを定期的に開催するほか、スタイルブック「#モテるために生きてる!」(ぶんか社)を発売するなど、着実に活躍の場を広げている。

彼女はなぜSNSを武器に生活していこうと思ったのか? そして、どんなこだわりを持って日々、情報を発信しているのか? 菅本裕子流セルフブランディング論について伺った。

一瞬でフォロワーが数万人に! 無限の可能性を感じたSNS

――菅本さんがSNSを始められたのは、いつ頃でしょうか?

前々からずっとアカウントは持っていましたが、本格的に使い始めたのは1年ほど前からです。

――なぜ、SNSを武器にして生きていこうと思ったのでしょうか?

HKT48を辞めたときの影響が強いかもしれません。HKT48に在籍していた頃からTwitterは使っていたのですが、当時はSNSのことを何とも思っていなくて。「ファンが喜んでくれるから、自撮り写真をアップする。そのためのツール」くらいにしか捉えていませんでした。ただ、HKT48を辞めた後に、SNSに対するイメージが180度変わったんです。

脱退した直後は、根も葉もない嘘の情報を流されて、いろんな人から叩かれて……。その状況に耐えられなくなって、きちんと自分自身で「ウワサされているようなことは、何もやっていない」と伝えようと決めました。それで、改めてTwitterのアカウントを作ってみたら、1日でフォロワーが3~4万人になったんです。このフォロワーの異常な増え方を目の当たりにして、SNSのすごさを感じました。

それから数年後、GENKING(ゲンキング)さんや、けみおさんが“インスタグラマー”と呼ばれるようになったのを見て、「SNSには、自分のやり方次第で無限の可能性がある」と思ったんです。

――そこで、菅本さん自身も “モテるために生きている”を発信していこう、と?

そうですね。2015年に「ミスiD【※】」の準グランプリを受賞したのですが、仕事がいただけるわけではなく、ずっとこれといった仕事がない状態が続いていたので、思い切ってやりたいことだけをやっていくことにしたんです。

※ 講談社が2012年からスタートした、「新しい時代にふさわしいまだ見たことのない女の子」を探し世に出すオーディションプロジェクト。

私は物心ついたときから、ずっと「モテたい」と思っていて、モテたいと思っている女の子の背中を押せる存在になりたかったんです。だから、「モテる為に生きてる」とTwitterのプロフィール欄に書いてみたら、反響がとても大きくて。モテ情報を発信していこうと決めました。

――「モテたい」と公言することは、同性から嫌われるリスクもあると思うのですが、モテ情報を発信していくにあたって、怖さはなかったのでしょうか?

私の中で“モテる”はポジティブなイメージなので、怖くはありませんでしたね。誰しも心の中では「モテたい」とか「好きな人にかわいく見られたい」って思うじゃないですか。それを表に出すのがダメっていう世の中の風潮が嫌だったし、それでイジメられたこともありました。だから、同じようにモテたいという感情を抱えている女性の味方になって、応援したい気持ちのほうが強かったです。

SNSで発信し始めた当初は、「チャラいだけなんじゃない?」「モテるためのテクニックって、合コン必勝テクニックでしょ」みたいな声もありましたけど、今はそういう反発はほぼ来なくなりました。私がずっと真剣に、“モテる為に生きてる”ことが伝わったんだと感じています。

もし私が「モテたいで~す」ってふわふわした感じでいたら、すごく叩かれただろうし、誰もファンになってくれなかったと思います。ほかのお仕事の片手間でモテたいって言っているんじゃなくて、モテることにものすごく真剣なんですよ(笑)! 写真も動画も文章も、すべて妥協せずに自分が納得いくまでこだわり抜いているので、そういったところも評価してもらっているのかもしれません。

自分の“ファン”に向けて情報を発信しないことが、ファンを増やす

―Twitterは以前から使っていたとのことですが、InstagramやYouTube、LINE LIVEなど、発信の場を広げるきっかけは何だったのでしょうか?

私自身、誰よりもSNSが好きで、いろんな人のInstagramアカウントやYouTubeチャンネルをチェックしていました。Twitterを始めてから数年は男性のファンしかいなかったのですが、“モテる為に生きてる”を発信してから、少しずつ女性がTwitterの投稿に「いいね」を押してくれるようになって。今後のブランディングや方向性を考えたときに、「今がチャンスだ!」と思い、まずInstagramアカウントを作り、そのあとにYouTubeチャンネルを開設し、LINE LIVEも始めました。

アカウントを作る前はいろんな人のInstagramアカウントやYouTubeチャンネルを見ていたこともあって、「こうすれば上手くいくんじゃないか」というイメージはあったのですが、まったく上手くいかなかったですね。かなり、たくさんの失敗もしましたし、最初に作成したYouTubeの動画なんて見せられたもんじゃないですよ(笑)。何度も何度も試して、今の形になりました。

――自分のアカウントから発信する際に意識していることはありますか?

Instagramはモテたい女の子たちを応援するような情報を発信しているので、1枚の写真をアップするのにかなりの時間をかけます。時には数時間も悩むこともありますね。Instagramは自分の写真集を作るようなものなので、「これでよし!」と思った写真しか投稿しません。パパッと撮ってパパッとアップするというのは、一度もやったことがありません。

LINE LIVEでは、お酒を飲みながら配信する「ゆうこすと一杯!」などのライブ配信を行う

――投稿するときのマイルールみたいなものってありますか?

同じキャラクターにならないこと、ですかね。TwitterとかInstagramとか、それぞれのSNSで別の菅本裕子が見せられるような投稿を心がけています。それが、いろんな場所で私のアカウントを見る意味が生まれますし、ファンの輪が広がっていく可能性も高まるだろうな、と。すべてのSNSで同じようなキャラクターだったら、きっとここまでファンの数は増えてなかったと思います。

YouTubeの「ゆうこすモテちゃんねるは、実践的なメイクテクニックみたいな、Instagramの写真や短い動画だけでは伝わりにくいものを、発信するために始めたので、いかにわかりやすいハウツー動画になっているかを意識していますね。LINE LIVEは、InstagramやYoutubeでは見えない“リアルな私”を楽しんでもらおうと始めたものです。こうやって、たくさんのSNSのほかにも発信する場を使い分けることで、新しいファンとの出会いを増やしていけたらいいな、と。

―― 実際に各SNSアカウントを拝見して、すごくこだわりを持たれているなと感じたのですが、情報を発信する際に最もこだわっている部分って何ですか?

自分のファンに向けた情報を発信しないことです。私のことを好きになってもらうのではなく、私が発信する情報を好きになってもらいたいので。

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たとえば、美容やファッションの情報を発信するときに、「このアカウントの情報って、すごく役に立つ」と思ってもらえたら、私のことを知らなくても、美容やファッション好きがファンになってくれるはずですよね。だから、たくさんの情報を入れて発信するようになりました。一時期は、新しい商品が発売されたらすぐ買いに行って、真っ先に試して情報を発信していたので、“歩くMERY”状態になっていました(笑)。

そうすることで、InstagramやYoutube経由でファンになってくれる人の割合がかなり増えましたね。最近は、アイドル時代の私を知っている人のほうが珍しいくらいです。

SNSブランディング最初の一歩は、細部の細部まで統一すること

――SNS全盛のこの時代、菅本さんのように影響力を持った存在になりたい人がたくさんいると思います。まず、どんなことから始めるべきですか?

とにかく無駄な情報を挟み込まず、自己満足で終わらないようにすることが大切だと思います。有名なタレントさんが私生活の写真を投稿することには意味があると思いますが、イラストレーターの人がランチの写真を投稿しても何の意味もなくて……。イラストだけをアップし続けるほうが絶対いいですよね。

SNSは、パッと見たときに興味を持ってもらえるようにすることが大切です。自分のカラーやキャラクターは、細部の細部まで統一すべきなんです。手抜きの部分は絶対に出してはいけません。

あとは、やはり発信する情報にもこだわってほしいですね。自分のことを知らない人が見ても、役に立ったと思ってもらえるかどうか。この視点を取り入れるだけで自己満足な投稿にならないし、価値を感じてもらいやすくなります。たとえば、自撮り写真にも、着ている洋服のブランドやコーディネートのポイントを入れれば、そこに付加価値が生まれますよね。

――今後、モテクリエイターとしてチャレンジしたいことを教えてください。

まだまだSNSや動画サービスでの発信が中心なので、今後は私の中にある“モテ”をもっと形にしていきたいですね。具体的に決まっていることはまだないのですが、ゆうこすプロデュースの服やコスメなどを、みなさんのもとに届けられるようにしたいと考えています。