未来の暮らしってどんな感じ? 最先端のIoTデバイスを集結させたスマートホステルに宿泊してみた

あらゆるモノがインターネットにつながる “モノのインターネット”、通称、IoT(Internet of Things)。海外では家庭用音声AIアシスタント端末「Amazon Echo(アマゾンエコー)」や「Google Home(グーグルホーム)」が発売されるなど、IoTデバイスのある生活が一般化しつつあるが、日本はまだまだといったところだろう。マーケティングリサーチ会社のGfKが発表した調査結果によれば、家に関わるIoTであるスマートホームテクノロジーがここ数年で生活に変化をもたらすと考える日本人は、たったの2割ほど……。

「IoTデバイスで私たちの生活は変わっていく」と言われて久しいが、具体的にどのような変化があるのだろうか? そして、未来の暮らしとはいったいどのようなスタイルなのか?

最先端のIoTデバイスを集結させたスマートホステルに宿泊!

……ということで、今回やってきたのはこちら! 2017年4月、東京・浅草北にオープンした近未来のIoT空間を楽しめる体験型宿泊施設「&AND HOSTEL ASAKUSA NORTH(アンドホステル アサクサノース)」。東京メトロ日比谷線の南千住駅から徒歩6分ほどの場所にある。

同ホテルは、IoT事業者のand factory(アンドファクトリー)がプロデュースする、最先端のIoTデバイスを集めたスマートホステル「&AND HOSTEL」2号店。1号店は2016年8月、福岡・博多で開業している。今年6月頃には、東京・上野に3号店がオープン予定だ。

なぜ、スマートホステルを立ち上げようと思ったのか。and factoryの担当者はこう語る。

「IoTという言葉は世の中に広まってきていますが、家庭への導入はまだまだ。実生活との接点を持ちづらいのが現状です。そんななか、政府もインバウンド需要に対応していこうという方針を打ち出したことで、“ホステル×IoT”というビジネスモデルに焦点を当て、『&AND HOSTE』での宿泊を通じてIoTデバイスのある生活を体験してもらおうと考えました」

「&AND HOSTEL ASAKUSA NORTH」のエントランス

エントランスに足を踏み入れると、さっそくIoTデバイスが現れた。

スマートフォンや体の動きで操作できる、デジタルキャンバス「Meural(ミューラル)」だ。

一見、何の変哲もないゴッホの自画像に見えるが、実はジェスチャーで操作が可能。額縁の前で手を動かすだけで、表示されている絵画を切り替えられるのだ。

ゴーギャンの「いつ結婚するの」が表示された。

専用のスマートフォンを受け取り、室内へ!

チェックイン(16時~22時まで)を済ませると、スタッフからスマートフォンを渡される。

こちらのスマートフォンは、「&AND HOSTEL ASAKUSA NORTH」にあるIoTデバイスを横断的に制御するコントローラーだ。高機能学習リモコン「iRemocon(アイリモコン)」と連携しているので、これ1台で部屋の鍵はもちろん、テレビやエアコン、照明などあらゆるモノを操作できる。

どうやら、このスマートフォンにインストールされている「&IoT Platform」という独自開発のアプリケーションが一番の魅力だそうで、担当者は「このアプリがあることによって、一つの操作で複数個のデバイスを制御することが可能になりました。最小限の動作で自分の快適な空間をつくることができます」と語る。

これは期待が高まる……! スマホを持って、いざ部屋へ。今回、宿泊するのは「IoT Semi Double」という個室(1泊7,500円)。施設内には、12人1部屋のドミトリーや2人用のツインルームがあるが、IoTデバイスを備えた客室は、「IoT Semi Double」と「IoT Twin Room」の2部屋のみ。IoT生活をじっくり体験したい方は、いずれかを予約しよう。


部屋の鍵は、スマートキー「Qrio Smart Lock(キュリオ スマートロック)」。先ほどのスマホで解錠する。画面をタッチしていくだけなので、非常に簡単!

こちらが、セミダブルの客室。非常にシンプルな造りとなっているが、室内にあるモノはすべてスマートフォンで操作可能。もちろん、Wi-Fiも完備されている。

室内のIoTデバイスも体験してみよう。まず試してみたのが、スマホで明るさや1600万色以上もの色の調節ができる「Philips Hue(フィリップス ヒュー)」。


スマホのボタンを押すだけで照明の色が変えられるほか、明るさの調節も左右にスワイプするだけ! また、「リラックス」や「真夏の夕暮れ」など、気分やシーンに合わせて選べるモードも備えている。家で映画を見たり、友人を招いてパーティーを開いたりするときに重宝しそうだと思った。

また、アプリ画面上のタブを切り替えれば、テレビやエアコンも素早く操作できる。筆者はリモコンをよく失くしてしまうので、スマホに集約されているのはとても便利だという印象を受けた。

そして、なんとカーテンの開け閉めもスマホでOK! 実際に動かしてみたところ、こればっかりは「自分の手で開け閉めした方が早いんじゃないか?」という気も……(笑)。

就寝と起床がスムーズ! 快適すぎる「ナイトモード」と「アラーム機能」

スマホ一つで、さまざまなデバイスをコントロールできるのもすごいと思ったが、宿泊してみて何より便利だと感じたのが「ナイトモード」と「アラーム機能」だ。

寝る前にカーテンを閉めたり電気を消したりするのはいちいち立ち上がる必要があり、思った以上に面倒だ。特に、ベッドでゴロゴロしていて眠くなったときは、もう起き上がりたくないもの。

そこで、このナイトモードを使えば、自動でカーテンと部屋の鍵が閉まり、照明もオフに。寝転がってくつろぎながら、寝る準備が整う。これはとても便利!

さらに、アラーム機能で起床時間を設定しておくと、翌朝になれば自動で照明がつき、カーテンが開き、テレビの電源もONになった。普段、アラームが鳴っても、寝ぼけながら止めてすぐ二度寝してしまう筆者だが、これなら否が応でも目が覚める。普段の生活にも、こんな機能があったら寝坊することもなさそうだ。「IoTのある暮らし」のありがたみを、しみじみ噛み締めた。

and factoryの担当者によると、宿泊客の約8割が外国人観光客だが、IoTの体験を目的に利用するのは、ほぼ日本人。筆者と同様に、スマホを通じて室内のあらゆるデバイスが操作できることに驚くそうだ。

スマホ一つであらゆるモノをコントロールできる生活

実際に「&AND HOSTEL ASAKUSA NORTH」に宿泊してみて感じたのは、「IoTによって、日常生活におけるちょっとしたストレスが軽減される」ということだ。日頃、バッグの中で鍵が見つからなかったり、部屋の中でテレビのリモコンが行方不明になったりして困ることがよくあるのだが、あらゆるモノがスマホに集約されていればそういった心配がない。個人的には、このストレスの軽減が何よりの魅力だった。宿泊を終えて自宅に帰ったときに、家の鍵を出したりテレビやエアコンのリモコンを出したりという行為がすごく面倒に感じたほどである。

これに加えて、ボタン一つでお気に入り商品が購入できる「Amazon Dash Button(アマゾンダッシュボタン)」やモバイルウォレット「Apple Pay(アップルペイ)」、フードデリバリーサービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」などのサービスを組み合わせれば、かなり快適な生活が送れるような気がした。

「今後もさまざまなIoTデバイスが開発され、快適な生活を送るための選択肢はますます増えていくでしょう。IoTの特性として、自分が設定した温湿度や照度、おやすみモード操作時の入眠時間(おやすみモード操作時)、アラーム設定の起床時間(アラーム設定)などのIoTデバイスの使用データはが蓄積されますさ。無意識に送っている日常生活の分析によってを行い、自分の行動パターンが可視化されると、れていくので、自分が意図しなかった予想外のい快適さにも気付くことがあるかもしれません」(and factory 担当者)

今回体験したIoTデバイスは、「Qrio Smart Lock」=18,000円(税別)、「Philips Hue」=26,800円(税別)、「iRemocon」=20,741円(税別)と値段もそこまで高くないので、実生活に取り入れることも夢ではない。スマホとパソコンさえあればOK。そんな日が来るのも、そう遠くない未来なのかもしれない。