情報の共有化を徹底し、仕事の属人化を防ぐ! Markdown記法対応の「社内Wiki」11選

創業時は少人数で始めた事業でも、規模が大きくなるにつれて互いの手元にある仕事が見えづらくなり、属人的になりがち……。社員が増えるに従って、社内ルールやマニュアル、表記法・命名規則の統一など、各種情報を簡単に参照できるように組織環境を整える必要も出てくるだろう。

こうした時に役に立つのが社内での情報共有ツール、「社内Wiki」である。

社内Wikiを活用することで、社員の情報発信が習慣化され、有益な情報を組織全体で共有できるという大きなメリットが生まれる。今回は、GitHub(ギットハブ)やGitLab(ギットラボ)で標準採用されたことで、エンジニアの共通言語となりつつある「Markdown記法【※】」に対応した社内Wikiに活用できるサービスを紹介しよう。

※「見出し」や「箇条書き」「引用」といった文書の装飾を簡単に行える、軽量マークアップ言語の一つ

社内Wikiとはなにか

社内Wikiとは、社内で必要とされる情報を体系的にまとめ、メンバー同士の情報共有を円滑化するためのコンテンツ管理システム。メンバーは業務に必要な情報を入手できるだけでなく、Wikiへの情報追加・編集ができる。積極的に情報をストックしていくことで、組織として共通の知見が貯まるのだ。

社内Wikiを使うメリット

社内情報をプラットフォーム上で共有することで、社員は必要な情報をいつでも簡単に参照できるようになる。また、社内Wikiを充実させることで仕事の属人化を防ぎ、業務の引き継ぎをスムーズにすることも可能だ。

以下、Markdown記法に対応した社内Wikiサービスを特徴ごとにまとめて11個紹介していこう。

クラウド型社内Wiki

社内Wikiは、ブラウザやSaaSアプリ上で操作するクラウドクロスプラットフォーム型と、インストール型の2種類に区分できる。

クラウド型は、自社ではなくサービス提供者の持つサーバ上にデータを蓄積していくのが特徴。ウェブブラウザや専用アプリケーションから閲覧・編集・管理を行える。インストール型と比べて構築や運用が容易なため、導入までのハードルが低い。

Qiita:Team(キータチーム)

エンジニアにとって馴染み深い情報共有サービス「Qiita」のチーム版で、「かんたんに書けて、かんたんに共有できる場所」をコンセプトに設計されているWikiサービス。シンタックスハイライトを使えるほか、テンプレート機能も充実しているため、きれいでわかりやすいドキュメントを簡単に作ることができる。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:○
  • タグ付け:○
  • カテゴリ分け:×
  • シンタックスハイライト:○
  • アップロード可能なファイル形式:画像ファイルのみ(jpeg、gif、png、tiff)

esa.io(エサドットアイオー)

「情報を育てる」視点で作られた社内向けWikiサービス。「情報が不完全な状態であってもとりあえず共有し、後からみんなで編集して完成したら整理する」という使い方を想定しているため、作成途中のページでも共有できたり、整理しやすい設計がなされていたりといった工夫が凝らされている。かわいらしいデザインが気に入っているというユーザーも。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:×
  • タグ付け:○
  • カテゴリ分け:○
  • シンタックスハイライト:○
  • アップロード可能なファイル形式:画像以外のファイル (pdf, txt, csv等)も可

Kibela(キベラ)

2017年3月に正式リリースされた新しいサービス。「個人の発信を組織の力にする情報共有ツール」をコンセプトに作られており、大きな特徴はWikiに置くべき「情報」とブログに書くような「日報」「日記」「個人的な記録」などを分けて作成できる点。PC以外のデバイスからでも不自由なく使える。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:×
  • タグ付け:×
  • カテゴリ分け:○
  • シンタックスハイライト:○
  • アップロード可能なファイル形式:画像ファイルおよびpdfのみ

DocBase(ドックベース)

「成長する組織のための情報共有ツール」を掲げ、所属チームや部署、社内外を問わずにドキュメントを共有できる。Markdown記法の入力補助機能もあるので、不慣れなユーザーにも親切。グループという単位を設定して、必要な人を選んで情報を共有することができるほか、情報単位でも閲覧権限を変更できるなど、柔軟な権限設定が可能。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:○
  • タグ付け:○
  • カテゴリ分け:×……グループが存在
  • シンタックスハイライト:○
  • アップロード可能なファイル形式:すべてのファイル形式に対応

GitHub Wiki(ギットハブ ウィキ)

最近では、Markdownドキュメントを公開するプラットフォームとして使われることも多い、ソフトウェア開発プロジェクトのための共有ウェブサービス「GitHub」。そもそも社内Wikiを想定したシステムではないため、デフォルトで全文検索ができなかったりアップロードできるファイル形式が少なかったりと、他の社内Wikiツールと比較すると、Wikiとしての機能は劣る面もあるが、プロジェクトとWikiを直接紐付けられるのは大きなメリットだろう。「GitHub Enterprise」では自社サーバへのインストールも可能。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:○
  • タグ付け:○
  • カテゴリ分け:○
  • シンタックスハイライト:○
  • アップロード可能なファイル形式:画像ファイルのみ

拡張機能によってMarkdown記法に対応するクラウド型Wiki

Confluence Cloud(コンフルエンス クラウド)

大手企業も使っている、Atlasianアトラシアン製の社内Wikiサービス。プロジェクト管理ツールJIRAとの連携機能が優れているほか、プラグイン有料版ありが充実しており、ユーザーが使いたいようにカスタマイズ可能。また、自社サーバ内でWikiを構築するタイプの「Confluence Server」 も提供されている。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:○
  • タグ付け:○……ツリー型
  • カテゴリ分け:○
  • シンタックスハイライト:○
  • アップロード可能なファイル形式:ほとんどのファイル形式が可能

インストール型社内Wiki

インストール型の社内Wikiは、自分たちで用意したマシンやサーバ上に情報を格納していくことになる。ユーザー数の変動に対応しやすく、ニーズに合わせてカスタマイズしやすいのが利点。ただし、障害が起きた場合は自社内で対応しなければならないデメリットも。

Crowi(クロウウィ)

node/JavaScript製のOSSオープンソースソフトウェア。もともとは株式会社クロコスの社内Wikiとして使われていたツール。いいねボタンや記事を見た人がアイコンとして並ぶ「見た人」機能などを備え、「コミュニケーションツールとしてのWiki」の思想に基づいて設計されている。シンプルで見やすいデザインが特徴。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:×
  • タグ付け:×
  • カテゴリ分け:○
  • シンタックスハイライト:○
  • アップロード可能なファイル形式:すべてのファイル形式に対応

DokuWiki(ドクウィキ)

データがすべてプレーンテキストファイルとして保存されるため、データベースを必要としないWiki。豊富なテンプレート・プラグインによりユーザーが自由にカスタマイズできるほか、変更履歴や差分などの表示機能や編集の競合コンフリクトを防ぐ機能もある。日本語ドキュメントが充実しているのもうれしいところ。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:○
  • タグ付け:○……要プラグイン
  • カテゴリ分け:○
  • シンタックスハイライト:○
  • アップロード可能なファイル形式:画像・音声・動画ファイル、PDFなど

GitLab Wiki(ギットラボ ウィキ)

「GitHub」と同様に、Markdown記法で書けるWikiサービス。シンタックスハイライトが有効で、検索機能にも優れ、Slackへの通知ができるなど、必要な機能がきっちり揃っている。一方、変更履歴が使えない点には注意しておきたい。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:○
  • タグ付け:○……要プラグイン
  • カテゴリ分け:○
  • シンタックスハイライト:○
  • アップロード可能なファイル形式:画像と一部のテキストファイルのみ

拡張機能によってMarkdown記法に対応するインストール型Wiki

MediaWiki(メディアウィキ)

「Wikipedia(ウィキペディア)」を運営するために作られたシステムで、現在はオープンソースGPLで配布されている。MySQLやPostgreSQLなどのデータベースを使うため、大量の記事を保存・蓄積するのに向いている。Wikipediaのアクセス数から想像がつくように、一日に大量のアクセスがあっても耐えうるよう設計されている。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:×
  • タグ付け:×
  • カテゴリ分け:○
  • シンタックスハイライト:○……設定が必要
  • アップロード可能なファイル形式:画像(png、gif、jpg)のみ

TiddlyWiki(ティドゥリ ウィキ)

HTMLファイル一つでできているWikiサービス。オフラインでもウェブブラウザを使って書き込みできるのが大きな特徴だ。サーバの用意が不要、かつ拡張機能が充実しており、ユーザーの好みに合わせてカスタムできる。HTML5版のTiddlyWiki5も利用可能。

  • ドキュメントごとの閲覧制限:×
  • タグ付け:○
  • カテゴリ分け:○
  • シンタックスハイライト:○……要プラグイン
  • アップロード可能なファイル形式:画像のみ

おわりに

異なるコンセプトを持ち、それに合った設計を施した社内Wikiサービスの数々。導入にあたっては、自分たちの組織にとって「何が必要で、どの機能を重要視するのか、何の優先順位を上に持ってくるのか」をしっかり考慮し、その軸に基づいて選定することが重要だ。

なかには、無料のお試し期間を設けているサービスもある。検討段階で社内の複数人で使ってみて、実際に運用をしていきながらメリット・デメリットを見極めていくとよいだろう。