自称・世界一は伊達じゃない! JINSのコワーキングスペース「Think Lab」は、集中できる環境を突き詰めまくっていた

 

Think Labはここがすごい!

  • “世界一集中できるワークスペース”がコンセプト! 集中について科学的に突き詰められたスペース
  • 協力会社も本気! 約20社の技術が結集したスペース
  • 神社仏閣から発想!? 入り口から出口まで考え抜かれた設計

 

メガネの「JINS」さんが作った会員制ワーキングスペース「Think Lab(シンク・ラボ)にお邪魔してきました。コンセプトは“世界一集中できるワークスペース”。「さすがに世界一は大げさなんじゃあ……」なんて思いながらお邪魔しましたが、世界一と謳うにふさわしいほど“集中”についてとことん考えられたオフィスでした!

今回はThink Labだけではなく、JINSさんのオフィスも簡単にレポートしながら、Think Labを作った背景をご紹介していきます。

ガラス張りで開放感があるJINSオフィス

JINSさんのオフィスと、Think Labが入っているのは、飯田橋駅から徒歩2分ほどのオフィスビル「飯田橋グラン・ブルーム」です。まずは、JINSさんのオフィスを見学させてもらいました。こちらは受付です。

 

受付の裏には店舗さながら、ズラリとメガネが並べられていました。

 

最初に案内してもらったのは、執務スペース。入り口には本が並べられ、カジュアルに打ち合わせなどができるスペースがありました。

 

中はこんな感じ。まずびっくりしたのが、ガラス張りの会議室。壁がなくて向こう側まで見渡せるので、開放感もすごいです。ガラス張りだったり壁がなかったりする理由は、社員さん同士の交流やコミュニケーションの活性化を図るためとのこと。

 

ちなみに、デザイン室やCSR室などの来客用会議室も、曇りガラスを使っていました。ガラス張りがオフィスのアクセントになっていました。写真は会議室に続く通路を写したもの。

 

ほかにも執務スペースには、立って仕事ができるスペースや、

 

カフェのように落ち着いて作業できるスペースもありました。こちらには、冷蔵庫やフードの自動販売機もあって、ご飯も食べられるそうです。

JINSさんのオフィス紹介は以上になります。

神社仏閣から発想を得たThink Lab

続いては、Think Labにお邪魔しました。

冒頭でご紹介した通り、Think Labのコンセプトは“世界一集中できるワークスペース”。このコンセプトを実現するための構造として取り入れたのが、神社仏閣なんだそうです。

 

神社仏閣は、鳥居から入場し、参道を通って手水へ。そして拝礼を行なった後に、本殿に入る、という一方向の流れを意識した構造になっています。Think Labの監修者で、予防医学研究者の石川善樹さん曰く、この構造が集中力を高めるために適しているそうで、神社仏閣を真似た設計でThink Labは作られたとのこと。

いきなり神社仏閣と言われても想像しづらいと思うので、どこが神社仏閣の構造なのかも合わせてご紹介していきます。

 

こちらがThink Labの入り口。JINSさんの白を基調としたオフィスと打って変わって、黒が基調となっており身が引き締まる感じがします。ここは、神社仏閣でいう鳥居部分にあたる場所。「今から集中するぞ」というスイッチの切替を促しているそうです。

 

入り口を入ると長くて暗い通路があります。ここは神社仏閣でいう参道。写真だと少しわかりにくいですが、地面が石畳になっていて、歩くと自分の足音が反響し、かすかに高野槙(コウヤマキ)の香りがしました。暗い道を自分の足音を聴きながら歩くことで、自然と神経が研ぎ澄まされるそうです。

実際に歩いてみると、神社の参道を歩いているような静けさと、適度な緊張感もあって、自然と神経が研ぎ澄まされる感覚になりました。

 

長い通路を渡って扉を開けると、一気に空間が開け、緑なども配置されていました。開けた空間と緑により、気持ちがリッラクス出来る効果があるそうです。

実はこの「緊張」からの「リラックス」が人間の脳が集中に入るために適したステップで、普通に入るだけで、自然と集中する準備が出来上がっている、という構造になっているとのこと。

 

正面はこんな感じ。竹林ときれいな景色が広がっています。ここは神社仏閣でいう手水部分。一気に空間が開けることで、高まった緊張をほぐす効果があるそうです。

ちなみに、開放感を出すために、床材には少し光沢感あるものを使用。光が入ってくることで広く見えるような工夫などもされているとのこと。

 

ほかにも、小川のせせらぎや小鳥の鳴き声などが聞こえてきました。これは協力会社であるビクターエンタテインメントのハイレゾスピーカーから、パワースポットでレコーディングした、森や川の自然音を流しているそうです。朝にしか鳴かない鳥の声は朝以外は聞けなかったり、川の音は下に設置されたスピーカーから流れていたり、耳で聞こえない肌で感じる音もハイレゾで再現しているなど、かなり細かく設定されているそうです。

さらにThink Labでは、オフィスの光量や色味も太陽の動きとともに変化させ、光によって体内時計を整える効果を狙っているそう。

 

通路を進んでいくと、ワークスペースになります。ズラッと並んだデスクと緑が圧巻ですね。

 

出典:Think Lab

面白かったのは3種類のデスクと椅子が用意されていて、自然と姿勢が変わること。姿勢によって、ロジック思考に向いていたりアイデア発想に向いていたりと、得意な思考が違うそうです。

実際に座った感じがこちら。普通に座っているだけで目線が変わるので、不思議と思考も変化が起こりそうな気がしました。

 

こちらはデスクに座って正面を向いた状態で撮った写真です。人は、視野角である120度の中に10~15%ほど植物があるとリラックスができて集中力が上がるそう。Think Labでは、植物の配置も計算して置いているとのこと。てっきり、ただのインテリアとして置いているのだと思っていたので驚きでした。

 

さらに、オープンなスペース以外にオフィスとして使える固定ルームも。

 

奥にあった物体が気になったので聞いてみると、Netatomo(ネタトモ)社の「ウェザーステーション」というIoTデバイスでした。温度や湿度、Co2濃度、騒音を測れる優れもの。

 

このウェザーステーションは、オープンスペースにもさりげなく置いてありました。Think Lab内に、20個以上設置されていて、どの場所が自分がいちばん集中できるか判別もできるそうです。

 

オープンスペースには、向かい合って仕事するデスクもあります。ここは打ち合わせ用ではなく、一人ひとりが座って作業する場所の一つ。人によって集中できる環境は違うので、あえて正面に人がいるスペースもを作ってみた、とのこと。ちなみに神社仏閣でいうと、オープンスペースは拝礼だそうです。

 

ほかにもオープンスペースには、多目的で使える畳エリアもありました。

 

高反発マットレスのエアウィーヴを借りて仮眠をとったり、定期的に開催されているヨガなどに参加したりできるそう。

以上がオープンスペースの紹介となります。そして、次にご紹介する集中ブースが、いよいよ本殿となります。

 

こちらのガラス張りの中が、超集中ブースのcocoon(コクーン)です。

 

中に入ると、マンガ喫茶のようなブースが13席用意されていました。

 

13席はすべて異なる作りで、オフィス家具で有名なKOKUYOと岡村製作所、PLUSの3社が集中できる個室空間をそれぞれ本気で考案したそうです。どの席も、原稿を書いたり資料を作ったりと、こもって作業したいときに向いてそうな雰囲気でした。このスペースは、本当に羨ましい……。

 

最後にご紹介するのがカフェスペースです。おしゃれカフェさながらの空間になっていました。

 

カフェスペースでは、飲食メーカーが提供している飲み物や、食べ物に、

 

シーブリーズのリフレッシュシートなどが置いてありました。ここにあるのは、すべて提供商品。Think Labの会員さんは、ここにあるものはすべて無料で自由に使っていいそうです。ビールまで用意されているのがおもしろいですよね。

 

ほかにも、メガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」も無料貸出を行っていました。JINS MEMEを使って、どの椅子に座っているときに自分が一番集中しているか、データでチェックもできるそう。

 

そして、Think Labの出口。出るときも暗い道を歩くことによって、特別な場所であることを意識させる造りになっています。

以上がThink Labの紹介になります。

「一番集中できない場所はオフィスだった」

最後に、広報の石井建司さんにお話を聞きました。

 

――Think Labはどういうきっかけでオープンしたんですか?

2016年1月に、JINS MEMEのマネージャーである井上が、とあるイベントでお坊さんとご一緒したんです。そのイベント終わりに、予防医学研究者の石川善樹さんと偶然出会い、3人でカフェに行ったのがキッカケです。そこで石川さんが「どうしてみんなが集中できないのかがわかった。人が集中できるのは神社仏閣だ」という話をされたみたいで……。

神社仏閣は、集中するまでの流れが一方向できちんと作られているそうなんです。その流れで井上が「ワークスペースとして形にしてきましょう」という話からThink Labが生まれました。

――おもしろいきっかけですね。

もうひとつは、JINS MEMEを使って、どういう場所でビジネスパーソンの集中力が高まるかを調査をしたのも一因です。オフィスやカフェ、図書館などさまざまな場所で調査した結果、人それぞれに集中できる場所が違うこと、そして一番集中できない場所がオフィスだということがわかりました。

――え!?

最近のオフィスは、JINSのオフィスのように、コミュニケーションが活性化するように作られていたり、そもそもオフィス環境が集中に向いていない作りになっていることが要因だと考えられます。

――なるほど。確かにすぐ話しかけられる環境だと話しかけちゃいますし、代表電話の応対でも集中力って切れてしまいますよね。Think Labは本当に集中できそうな空間でしたが、実際に集中力が上がったというデータはあるのでしょうか?

こちらは、JINSのオフィスとThink Labでの1時間あたりの集中度合いを比較した図です。通常の集中状態だけでなく、スポーツなどでゾーンと呼ばれるような”超集中状態”をJINS MEMEで計測したところ、通常の集中も深い集中も、Think Labのほうが良い結果となっています。

――数値にも差が出ているんですね。Think LabはJINS社員なら自由に使えると聞きましたが、社員さんの反応を教えてください。

「めちゃくちゃいい」という声が多くて、オフィスではなくThink Labでよく見かける社員もいます。社員によって好きな場所や好きな椅子、集中できる場所などが違うのもおもしろいですね。カフェスペースのほうが集中できるという社員もいて、そちらもよく使われています。

――Think Labでは、見学会は行っているのでしょうか?

はい。予約制で平日の14時から行っています。会社で集中できない方や、普段カフェで作業していて気が散ってしまうという方は、ぜひ一度見に来ていただきたいです。

 

まとめ

Think Labはいかがでしたでしょうか?

コミュニケーションの活性化に取り組んでいるオフィスは数多く見てきましたが、”集中”について本気で取り組んだオフィスは初めてだったので、新鮮なオフィス訪問になりました。またメガネ屋さんであるJINSさんが、家具メーカーや食品・飲料メーカーにも協力してもらいながら、ワークスペースを運営しているというのもおもしろかったです。

JINSさん、ありがとうございました!

 

Think Lab

【住所】
東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グラン・ブルーム29階

【利用料金】※すべて税別
月5回利用=3万5,000円、月10回利用=5万円、回数制限なし=7万円
固定ルーム=月額30万円(利用人数ごとにプラス7万円)

【設備】
集中ブース13席、オープンスペース 111席
カフェスペース、会議室利用可能

 

編集:ノオト